「日本人の3人に1人がなる」とも言われる帯状疱疹。いったいどのような病気なのでしょうか? 宇野皮膚科医院長の漆畑 修(うるしばた・おさむ)先生に、帯状疱疹の症状や、治療・予防法をお聞きしました。今回は「初期症状」についてご紹介します。
発見が遅れないように、初期の症状を知ることが大事
ある日、体の片側に痛みや違和感が生じた後、皮膚に赤い発疹や水ぶくれが出てきた――。
急にこういった症状が現れたら戸惑うかもしれません。
これが「帯状疱疹」の初期症状です。
帯状疱疹を引き起こすのは「水ぼうそうウイルス」。
過去に水ぼうそうになったことがある人がかかる病気です。
初期症状を見逃さないで
前触れ(前駆痛)
●体の片側に痛みや違和感が生じる
発疹が出る数日前から体の片側にピリピリとした「痛み」やモゾモゾとした「違和感」が生じるようになります。
●かゆみが出ることもある
人によっては「痛み」や「違和感」が生じるのではなく、「かゆみ」を感じるという人もいます。
発症(急性痛)
●痛みが神経に沿って出る
発疹と同時に末梢神経に沿って痛みが広がり、強くなります。これは皮膚や神経組織に炎症が起こっているためです。
●小さな赤いブツブツが体の片側に出て痛む
体の左右どちらか片側の皮膚に、小さい赤いブツブツの発疹が現れ痛みも出てきます。発疹は水ぶくれに変わります。
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発症から72時間以内に皮膚科へ
上のように、帯状疱疹は最初、体のどこかに「前触れ」と「発症」の症状が現れます。
症状が出やすいのは胸や背中、頭部など。
「発症から72時間以内に受診して治療を受ければ、早く治すことができます」と漆畑先生は話します。
ブツブツは体のどこにでもできる
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まれに全身に水ぶくれが出ることもある
取材・文/松澤ゆかり イラスト/祖父江ヒロコ