腰痛、手足のしびれ、不眠がなかなか治らない...その原因、実は「右脳と左脳の働きのバランスが崩れている」のかもしれません。そこで、石井克昇さんの著書『不調が消え去る脳バランス体操 右脳と左脳の働きが一瞬で整う』(KADOKAWA)より、左右の脳機能の働きをチェックし、機能が低下した側に刺激を加える健康法「脳バランス体操」についてご紹介します。
左右の脳バランスがその場でわかる簡単動作
左右の脳機能が低下しているとき、その状態をどのように知ることができるのでしょうか。
わざわざ病院に行って検査をするような手間は必要ありません。
その判断の目安となるのが、小脳の働きです。
小脳とは、大脳の下部の後ろ側にあり、大脳に次いで2番めに大きな脳です。
その働きは、大きく分けて3つあります。
【小脳の働き】
①筋緊張の調節・姿勢の制御
②運動のプログラム化
③頭部、眼球運動のコントロールまず、第一が姿勢の維持。
私たちがまっすぐに立って歩けるのは、小脳がバランスを取っているためです。
第二に、私たちが家事や仕事など、すべての動作をスムーズに行うには、手足の多くの筋肉を上手に、なめらかに使わなければなりません。
小脳には、こうした動作の一連の動きがプログラムとして保存されています。
第三に、眼球運動、加えて、目と頭部が協調して動くようにコントロールしています。
小脳はこのように、私たちが行う運動機能の重要な部分を担っています。
運動の際、大脳が動くことを決めて、それから、どう動くかを考える(=その指令を筋肉に対して出す)ことによって体が動くことになりますが、その運動のフォローを小脳が行っていると言ってよいでしょう。
ちなみに、大脳の後方・下部に位置している小脳は、カリフラワーのような形をしており、右と左の小脳半球に分かれています。
上記のように、大脳は左脳と右脳に分かれ、それぞれの脳から出た神経はクロスしていて、左脳は右半身を、右脳は左半身を支配しています。
小脳は、同側の支配になります。
つまり、大脳の左脳から出た指令はクロスして、小脳の右半球に入り、同じ右半身へと伝えられていきます。
ある運動をさせたとき、左脳に機能低下が起こっていると、それは、右の小脳(半球)の機能低下を引き起こし、右半身の運動に支障をきたす部分が出てくることになります。
逆に、右脳に機能低下があると、左の小脳(半球)に機能低下が生じ、左半身の運動に問題が生じます。
このような関係性を利用して、私たちはごくごく簡単な方法で、脳バランスが乱れているかどうかを知ることができるのです。
脳バランスのチェックテストをやってみよう
脳バランスをチェックするための、3つの方法を紹介しましょう。
【脳バランスのチェックテスト】
①バイバイテスト
②片足立ちテスト
③VORテスト
いずれも、小脳の機能を調べるテストです。
まず、バイバイテストから紹介しましょう。
バイバイテストのやり方
①両足をそろえて立ち、両手のひらを前方に突き出す
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②腕を前に突き出したままの姿勢で、両手でバイバイするように手をゆする。このとき右手は右側に動かし、左手は左側に動かす
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③30秒程度、できるだけ速くバイバイを続ける
バイバイしにくかったのは、どちらの手か──。
外方向へ最後まで、手をゆすることができていたかどうか──。
30秒間動かすうちに疲れてしまって、バイバイのスピードが遅くなったのは、どちらの手か──。
例えば、右手が動かしにくかったとすれば、右の小脳機能が低下しており、大脳では左脳の機能低下が予想されることになります。
イラスト/橋爪かおり、i and d company(脳)、どいせな(バイバイテスト)
6章にわたって、左右の脳機能のバランスを整えて不調を改善する「脳バランス体操」について解説しています!