医師・鎌田實さんが教える「認知症を予防する3つの生活習慣」

雑誌『毎日が発見』で好評連載中の、医師・作家の鎌田實さん「もっともっとおもしろく生きようよ」。今回は、気になる物忘れ対策のために、鎌田さんが実践していることを教えていただきました。

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最近、気になる物忘れ

ぼくは映画が大好きです。

たいていの俳優や監督の名前はスッと出てきたのに、このごろ、「あれ、あの人の名前、なんだっけ」ということが増えました。

ゆっくり思い出せば出てくるのですが、放送の収録中などはハラハラします。

ぼくがパーソナリティを務めるラジオ番組『日曜はがんばらない』(文化放送、毎週日曜朝6時20分~)では、おすすめの映画や本の話をしますが、名前が出てこない事態に備えて、メモを書いておくようになりました。

また、書類を取りに書斎に行ったのに、本棚の本に目が移り、パラパラ立ち読みをしている間に何をしに来たのか忘れてしまった、ということも。

ある程度なら笑い話ですみますが、たびたび起こったり、仕事でミスを繰り返したりするようになると要注意。

軽度認知障害(MCI)の可能性があります。

軽度認知障害は、認知症の予備軍といわれていますが、必ずしも認知症に移行するわけではありません。

軽度認知障害は、生活習慣を変えることで、正常な認知機能に回復することができるのです。

3つの認知症リスクを下げる

軽度認知障害を予防・改善するには、まず認知症のリスクを少しでも減らすこと。

英国の医学雑誌「ランセット」(2017年)は、認知症になる3大リスクは高血圧(1.6倍)、喫煙(1.6倍)、糖尿病(1.5倍)と発表しています。

長年の喫煙者は「もう手遅れ」とあきらめることはありません。

60歳からの禁煙でも、認知症リスクは下がるといわれています。

すでに高血圧や糖尿病になっている人も、少しでも血圧や血糖値をコントロールし、生活改善をしていけば、認知症リスクは低くすることができます。

その方法として、物忘れが多くなった鎌田は、次の3つの習慣を実践しています。

1.野菜ジュースを飲む

野菜を一日350g食べることが推奨されていますが、毎日続けるのは大変です。

そこでぼくは、野菜ジュースを毎朝飲んでいます。

ジュースなら一杯で、野菜約220gをとることができます。

さらに、牛乳かヨーグルトを入れてタンパク質を補い、オメガ3脂肪酸のえごま油をスプーン1杯入れています。

2.スクワットとかかと落とし

この連載でも紹介してきましたが、毎日のスキマ時間を利用して、スクワットとかかと落としをしています。

午後ちょっと疲れたときなどにすると、いい気分転換にもなります。

3.減塩

インスタント食品はできるだけ控え、減塩を心がけています。

体内のナトリウムの排出を促すナト・カリ塩や減塩醤油なども使っています。

鎌田實さんの人気連載「もっともっとおもしろく生きようよ」その他の記事はこちら

 

鎌田 實(かまた・みのる)さん

医師、作家、諏訪中央病院名誉院長。チェルノブイリ、イラクへの医療支援、東日本大震災被災地支援などに取り組んでいる。『だまされない』(KADOKAWA)など著書多数。

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「図解 鎌田實医師が実践している 認知症にならない29の習慣(朝日出版社)

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「速遅(はやおそ)歩き」「青魚、えごま油、高野豆腐を食べる」「新聞から4つの単語を選ぶ」など、無理なく日常生活で実践できる習慣がわかりやすく解説されています

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この記事は『毎日が発見』2020年5月号に掲載の情報です。
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