首や肩、背中の「こり」に悩まされていませんか? その原因は、「背骨の中心となる胸椎にあるんです」と、テニスボール矯正の考案者である酒井慎太郎さんは言います。そこで、酒井さんの著書『肩こり・首痛完全解消! 10秒胸椎のばし』(KADOKAWA)から、毎日10秒続けるだけで効果がある「胸椎のばし」のメリットや具体的な方法をご紹介します。
あごをしっかり引いて、重心を後ろにかけながら歩く
胸椎をはじめ、背骨を健康にキープするには"よく歩くこと"が欠かせません。
歩いていると、足を踏み出すたびに背骨がしなり、胸椎などの椎間関節が小刻みに動かされます。
背骨が調子を落とすことなく機能していくには、そういう一歩一歩の刺激がとても重要なのです。
もっとも、どんな歩き方でもいいわけではありません。
前かがみやねこ背の姿勢で歩いていたら、荷重バランスが悪くなって、かえって腰やひざなどの関節を痛めてしまう場合もあります。
ですから、「正しい歩き方の基本」を身につけることは非常に大切。
私は"5つのポイント"を意識しながら、正しい姿勢で歩く習慣をつけることをおすすめしています。
そのポイントとは、
① あごをしっかり引く
② 両肩を引いて腕をよく振る
③ 腰を反らす
④ 蹴り出すときに、ひざをまっすぐのばす
⑤ 7割方の体重を体の後ろ側にかけるつもりで歩く
の5点です。
いくつか補足しておくと、通勤や買い物ついでに歩くときに腕を大きく振りながら歩くのは少々気恥ずかしい部分もあるので、②の「腕振り」はそのときどきのシチュエーションに合わせて適宜行なうようにすればOKです。
それと大切なのは、⑤の「7割方の体重を体の後ろ側にかけて歩く」です。
後ろ重心で歩くと、背骨に体の重みがしっかり載って、各関節がスムーズに動くようになります。
"7割"というとだいぶ上体が反ることになりますが、意識していないとつい体を前傾させて歩いてしまうことが多いので、「これ以上後ろに重心をかけたら倒れちゃうよ」というくらいに"後ろ"を意識して歩いてみてください。
とにかく、これら5つのポイントを守っていれば、頭からかかとまでの荷重バランスが整い、背骨をしっかり機能させたかたちで歩くことができるようになります。
そうやって背骨という"柱"を正しく使って歩いていれば、首、肩、腰、ひざの関節も痛むことなくスムーズに回り続けていくものなのです。
ぜひ、正しく歩く習慣を身につけて、いつまでも末永く関節を回し続けていくようにしましょう。
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