年齢を重ねると、抜けない疲れや肌荒れといった体のトラブルが増えていきます。そこで、「1日2分の体操で体の不調は改善する」という医学博士・井本邦昭さんの著書『本来のからだにリセットする人体力学』(共著:松下るな/大和書房)から、症状別のエクササイズ法をお届けします。
1日1回の呼吸法でからだを整える
まずは、人体力学の基本となる呼吸法を試してみましょう。
鎖骨の中央にある胸鎖関節を広げるように伸ばし、背部は胸椎8番(首の根本からつながり、背中の中心あたりにある脊椎の一部)に向かって酸素を送り込む呼吸法です。
今の時代、多くの人に共通する弱点は呼吸器です。
背中が丸まっていると、肺が圧迫されて十分に広がらないため、いい呼吸はできません。
もちろん生きているかぎり、呼吸が止まることはありませんが、肺活量が70~80%落ちてしまいます。
つねに顔の上にハンカチを1枚のせて呼吸しているような状態ですから、息苦しく感じることもあるでしょう。
肺や気管支が弱ると、連動する骨や筋肉だけでなく、骨盤や手足の状態にまで悪い影響が及びます。
ふつうの生活を送りながら、ときどき無意識に大きい呼吸をしてはっとするようなら、呼吸器に負担がかかっている証拠です。
知らず知らずのうちに呼吸が浅くなっていたり、一時的に呼吸が止まっていたりする可能性があります。
十分な酸素を摂取して健康なからだを維持するためには、いい呼吸が必要です。
しかし、1日24時間、いい呼吸をしようと思ってもなかなかできるものではないでしょう。
ときどき思い出して深呼吸をしても、すぐに忘れてしまうものです。
そこで必要になるのが、ここでご紹介する呼吸法です。
1日に2回、起床後と就寝前に行えば効果的ですが、1日1回でもOKです。
①椅子に浅く座って背すじを伸ばす。息を吸いながら右手を顔の前を通り、上に上げる。
②左手も同様に顔の前を通って、息を吸いながら上に上げ、胸を大きく開くように両手を伸ばす。両手を下ろしたところで、ゆっくり息を吐く。
写真/林ひろし
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