効果は半年ほどなので、毎年接種が必要です。「インフルエンザ」のワクチンってどんなもの?

新型コロナウイルスのように、感染症は思わぬところで牙をむきます。O157などの細菌やはしかなどのウイルスは、これまで多くの命を奪ってきました。けれど、かつて猛威を振るった「天然痘」は、18世紀末のワクチンの開発とその後の普及で、20世紀には世界で根絶されました。そこで、年齢を重ねた私たちが、病気を封じ込めるために接種したいワクチンについて、国立感染症研究所の田谷馨子先生にお聞きしました。

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合併する病気に気を付けて。「インフルエンザ」

薬の効かないウイルス登場。重症化予防でワクチン活用

毎年12月になると患者数が増えるインフルエンザは、小児では急性脳症、高齢者や免疫力が低下している人は、肺炎を合併して命に危険が及びます。

抗インフルエンザ薬は複数ありますが、近年、薬の効かない耐性ウイルスも出てきているため、ワクチンで予防することが何よりです。

ワクチンで100%感染を防ぐことはできませんが、重症化を防ぐために役立ちます。

ワクチンの有効期間は約5~6カ月のため、毎年接種しましょう。

[主な症状]
高熱、頭痛、筋肉痛や関節痛、全身倦怠など

[かかりやすい年齢、性別など]
全年齢。乳幼児や高齢者は重症化しやすい

[感染経路]
飛沫感染。ウイルスが付いた手指から接触感染

[接種できる人]
65歳以上の高齢者は定期接種、ほかは任意接種

[ワクチンが効いている期間]
約5~6カ月

[およその費用]
1回3,500円前後(65歳以上は自治体によって異なる)


そもそもワクチンとは?

感染症の予防に使用する薬のこと。

体内にワクチンで病原体の存在を知らせ、抗体などの武器を作っておくと、病原体が侵入してきても退治できます。

つまり、感染や発病、重症化を予防することができます。

ワクチンは予防の薬として欠かせない存在です。

●ワクチンは病気に対する抵抗力を与える

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病原体を弱くするか、あるいは全くなくした病原体を体内にあらかじめ入れて武器を作るのがワクチン。接種することで予防に必要な抵抗力をつけます。

感染症とは?

ウイルスや細菌などの微生物が、体内に入って感染することで発症する病気。微生物の種類によって、発熱、せき、頭痛などさまざまな症状が出ます。


取材・文/安達純子 イラスト/かたおか朋子

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多屋馨子(たや・けいこ)先生

高知医科大学卒業。大阪大学医学部小児科学講座入局後、大阪市立小児保健センター、大阪大学医学部附属病院小児科などを経て、2001年国立感染症研究所へ。13年より現職。感染症撲滅のために尽力中。

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この記事は『毎日が発見』2020年3月号に掲載の情報です。

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