加齢による足骨格の崩れにより生じる角質トラブルの「魚の目・たこ」。痛みを引き起こすなど足のトラブルにもつながります。今回は日本下肢救済・足病学会評議員で2013年に東京・表参道に足の治療を専門にするクリニックを開院した桑原靖(くわはら・やすし)先生に「魚の目・たこ」の予防および治療法について伺いました。
魚の目・たこ、2つの治療法
魚の目・たこの治療には「削る方法」と「サリチル酸を含む絆創言や軟膏を使用する方法」があります。
それぞれ自己治療で行うことができます。
削る方法では、市販のフットケア用やすりを使用して少しずつ削っていきます。
慎重に行い、痛みが出たらやめましょう。
サリチル酸を含む絆創膏や軟膏を使用する方法では、市販薬を使用します。
サリチル酸は皮膚をやわらかくする慟きがあり、やわらかくなった箇所を少しずつこすって取り除いていきます。
ただし、自己治療では誤って皮膚を傷つけ、感染症を引き起こすことがあります。
やはり最初に、医師の指導を受けることが大切です。
また、これらの治療方法はあくまで対症療法です。
角質を取り除いただけでは、魚の目・たこは再発を繰り返します。
根本治療は骨格の補整。インソールなどを利用する
魚の目・たこは、足のアーチの崩れによるものです。
ならば、その崩れに対応しなければ再発してしまいます。
一般的な再発予防には「治療用インソール」を用います。
一度崩れたアーチが元に戻ることはありませんが、治療用のインソールを使用すれば、使用中は足のアーチを健康的な状態に補整してくれます。
インソールは整形外科で作ることが可能です。
アドバイザーのいる靴店でも購入できます。
さらに、足をしっかりサポートしてくれる靴を選べば、足の負担を最小限にできます。
治療用インソールを用いた治療
足のアーチを補整するには、立体的な形状で、硬い素材のインソールを選ぶ必要があります。
インソールに足をのせると、つちふまずが持ち上がり、足のアーチが改善されます。
人それぞれ、選択すべきインソールの種類が異なるため、アドバイザーや義肢装具士と相談して決定します。
正しい靴の選び方
インソールだけでなく、足に負担の少ない靴選びも大切です。
選び方のポイントをおさえましょう。
かかと
かかとを包み込み、素材は厚手。
ヒール
ヒールは4cm以下。
つま先よりもかかとが5~10mm高いと歩きやすい。
靴底
ある程度厚みがある方が、衝撃を軽減できる。
甲
大部分が覆われている。
つま先
5~10mmほど余裕がある。
指の付け根
靴底の前部だけは、曲がりやすい。