「最近、人の声が聞き取りづらくて・・・」その悩み、加齢によるものとあきらめていませんか? 実は、耳が遠くなるのは年を取った証拠ではないそうです。そこで、「難聴は治らないものではない」と言う聴力回復のエキスパート・今野清志さんの著書『耳は1分でよくなる!』(自由国民社)から、難聴の仕組みと薬も手術もいらない耳がよくなるトレーニング法を連載形式でお届けします。
好きな音をとらえ、そのエリアを増やす
私の運営する治療院では、聞こえづらい人の治療に、必ず鈴を使います。
どうやって鈴で治療するかご説明しましょう。
まず、10種類以上ある鈴の中から、自分が一番好きな音がするものを選んでもらいます。
そして、耳元でその音を聞かせ、じっくり味わってもらうのです。
「いい音だな」と脳が記憶し、「もっと聞きたい」という気持ちになったところで、耳から少し離して、鈴を鳴らします。
すると、その音に対して敏感になっていた、聴神経と脳が、一生懸命、音をとらえようとします。
それまで「どうせ聞こえない」と、怠けていたのが活性化されて、しっかり働くようになるのです。
少し離れた距離でも聞こえるようになったら、次はもう少し、耳から離して鳴らします。
極端に離れた場所で、音を出そうとしなくても、耳から10センチ、20センチと、少しずつ離していくのでかまいません。
慣れてきて、もっと遠くで鳴らしたいというときは、ひもをつけて引っぱるなど、工夫してみてください。
好きな音を毎日、ほんの数分でもいいから耳にすることで、脳の働きが高まり、聞こえづらさが解消していきます。
鈴が身近にない人は、わざわざ買わなくてもかまいません。
代わりに、お茶碗をスプーンで叩いたり、グラスとグラスを軽く重ねあわせてみたりするのでもいいでしょう。
自律神経のマヒは五感のマヒ
自律神経というのは、人間が生きていくのに欠かせない、体の働きをコントロールしています。
ですから、自律神経が衰えてしまうと、音を聞く、味わう、香りを嗅ぐなどの五感もどんどんマヒしてしまいます。
そして、五感が鈍ってくると、見たり聞いたりして働くはずの脳も、どんどん衰えてしまうのです。
自律神経が乱れているのに、気づいていない例をあげてみましょう。
1.手や足の先が、氷のようにいつも冷たいのに、「自分は冷え性だ」という自覚がない。
2.ぶつけたり転んだりしても痛みを感じず、しょっちゅう知らない間に青あざができている。
3.紙を見ることの、何百倍もの負担がかかるパソコンを、休憩なしで何時間でも見ていられる。
4.最後に大きな声で笑ったり泣いたりしたのがいつのことか、覚えていない。
思い当たることがある人も、少なくないのではないでしょうか。
五感と自律神経は密接な関係がありますから、五感を鍛えることは自律神経を整えることにつながります。
五感を鍛えるためには、なにか特別なことをする必要はありません。
いつもの通勤の道でも、街路樹に目を向けて「きれいだな」と思う、また、休憩で入ったカフェのBGMを「誰が歌っているのだろう」と、考えてみるなどでいいのです。
普段、気にしないものに意識を向けるだけで、少しずつ五感は研ぎすまされていきます。
難聴が治るメソッド『耳は1分でよくなる!』記事リストはこちら!
難聴の症例や症状とともに、生活習慣病も抑制できる7つの聴力回復法が紹介されています
※書籍の詳しい内容は、こちらからAmazon書籍購入ページを参照ください