脚に違和感があって熟睡できない...それ、「むずむず脚症候群」かもしれません

「よく眠れない」といったことは、加齢に伴う生体リズムの乱れなどで起こりがち。
でも、単に寝つきが悪いのではなく、脚の不快感で目が覚めてしまうことはありませんか?
今回は、東邦大学呼吸器内科准教授で睡眠時呼吸障害センター長の髙井雄二郎先生に「むずむず脚症候群」の特徴について教えていただきました。

脚に違和感があって熟睡できない...それ、「むずむず脚症候群」かもしれません pixta_26310946_S.jpg

脚に違和感を覚えて熟睡できない日が続く

ジッと寝ていられないような脚の不快な症状が、質の良い睡眠の妨げとなります。
「むずむず脚症候群は、男性よりも女性の方が発症しやすく、加齢や肥満もリスク要因になります。
睡眠時無呼吸症候群のリスクとも重なり、睡眠時無呼吸症候群と思って受診したら、むずむず脚症候群だったという患者さんもいます」と、髙井雄二郎先生は説明します。

睡眠時無呼吸症候群では、寝ているときに舌のつけ根などで気道が塞がり、10秒以上呼吸が止まってしまいます。
そして再び呼吸するときに大きないびきを伴うのが一般的。
本人は無自覚のことが多く、家族に大きないびきを指摘されて受診をしたら、むずむず脚症候群が合併していたという人もいます。

「『終夜睡眠ポリグラフ検査』は専門技師が一晩中検査を行い、脚にもセンサーをつけるため、脚の異常も見つけやすいのです」と髙井先生。
早期発見・早期治療によって症状の改善は可能といえます。
定期的に体調を確認することも心がけておきましょう。

ご存じですか「むずむず脚症候群」

安静時や夜間に、主に下肢に不快な症状を感じたり、下肢を動かしたいと感じる症状。
その衝動によって不眠になり、ひいては日中の機能障害をきたす疾患。
「レストレスレッグス(脚が休まることがない)症候群」とも呼ばれる。

どんな症状?

・寝床に入ると脚が気持ち悪くなり、脚を動かさずにはいられない
・ひざを振る、脚同士をこすり合わせると不安感が和らぐ
・ひざから下がじんじんしたり、かーっと熱くなる
・上記のような症状が、夕方から夜にかけて出ることが多い

患者数と傾向は?

・日本では少なくとも約400万人の患者がいると推定
・どちらかというと男性よりも女性の方が多い
・若年層にはほとんどいない。60〜70代に多い

取材・文/安達純子

いつの間にかたくさんできて、見た目が気になる...『顔、首の「いぼ」は予防できる』その他の記事はこちら

 

東邦大学医療センター 大森病院呼吸器内科准教授、睡眠時呼吸障害センター長
髙井雄二郎(たかい・ゆうじろう)先生

1995年東邦大学医学部卒。2014年東邦大学医療センター大森病院睡眠時呼吸障害センター部長、15年より現職。日本呼吸器学会指導医、日本睡眠学会認定医で、睡眠障害の診断・治療を数多く行う。

この記事は『毎日が発見』2020年1月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP