京都にある「長寿の町」の百寿者に聞いた「長生きの秘けつ」とは

京都府北部の丹後半島に位置する京丹後市は、100歳以上の人口の割合が、全国平均の約3倍にのぼる長寿地域。なぜこれほどまでに長寿の人が多いのか、その理由を解明する取り組みが行われています。京丹後市に住む高齢者の長寿の秘訣を探る疫学調査「京丹後長寿コホート研究」で、腸内フローラの研究を担当している京都府立医科大学消化器内科学教室准教授の内藤裕二先生にお話を伺いました。

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人の世話にならず自分のことは自分で

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京丹後市で健康長寿を生み出しているものは、食生活だけではありません。

研究を通してはっきりと見えてきたこと、それは人々の「自分のことは自分でやる」という生き方です。

「不便であるということは、裏を返せば何でも自分でやらなければ始まらないということ。自ら山や海へ出かけ、自分の食べる米や野菜を育てたり、収穫する。そんな自給自足に近い生活の中で、頭も体もフルに使いながら、〝自分のことは自分でやる〟ということを当たり前のこととして、生きてこられたのではないでしょうか」と、内藤先生。

京丹後市におけるもう一つの元気の理由、それは認知症にならないこと。

認知症は、都会には少なく田舎に多い傾向がありますが、この海沿いの田舎町で認知症の発症率が低いのも、やはり「人の世話にはならない」という人々の自立心が影響していると、内藤先生は考えています。

毎朝欠かさず畑へ行き、ひと仕事して帰る。

そうやって、日々外へ出て体を動かすことを常としながら「元気にやっている」という姿を周囲に見せてきました。

このような日常が、いくつになっても元気に暮らし続けるために大事だということを、京丹後市の長寿者の生きざまが教えてくれます。

「くよくよせずに、前向きに」「好き嫌いはせず、腹八分目」「家にこもらず外へ出る」。

これらは京丹後市の百寿者の皆さんが語った、長生きの秘けつ。

こんな大らかで欲張らない生き方が、健康長寿を叶えてくれるのでしょう。

京丹後の百寿者 元気の秘けつはこんなこと!

「動くことが大事です。たいしたことができなくても毎日畑に行きます」(105歳、女性)

「食事には時間をかけ、よく噛んで食べます。ただし、食べ過ぎないようにだけは心がけています」(102歳、女性)

「お化粧やおしゃれをする」(102歳、女性)

「規則正しいリズムで生活する」(101 歳、男性)

「世話好きで友達とのおしゃべりが好き。食事は肉が大好き。しっかり何でも食べます」(101歳、女性)

出典:~今に活きる~「京丹後」百寿人生のレシピ二「百歳健康長寿の秘けつ集」(京丹後市)

取材・文/佐藤あゆ美

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内藤裕二(ないとう・ゆうじ)先生

京都府立医科大学消化器内科学教室准教授。京都府立医科大学卒業。消化器専門医として診療にあたる一方、最新医学に精通し各地で講演も。京丹後市の長寿研究では腸内フローラについて調査。著書に『消化管(おなか)は泣いています』(ダイヤモンド社)など。

この記事は『毎日が発見』2020年1月号に掲載の情報です。

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