「病院に行くべきかどうか...」と悩むレベルの困った症状、いろいろありますよね。今回寄せられたのは、「痰(たん)に血が混じっていることに気づいて不安に・・・」という63歳男性のお悩み。医療法人社団同友会理事長、高谷典秀先生がお答えします。
Q
痰に血のようなものが混じります
63歳の男性です。先日、痰の中に血のようなものが混ざっていたので、不安になりお手紙をしました。
最近ずっと喉が痛み、痰も絡んで咳ばかりしていたのですが、ティッシュについた痰をみてみると、赤い血のようなものが一緒に出ていることに気がつきました。
血の量はほんの少しで、出ないときもあるのですが、たとえば肺がんなど、恐い病気が隠れている可能性はあるのでしょうか。
今までは薬局で買ったカゼ薬を飲んでいましたが、きちんとした検査を受けた方が良いのでしょうか。
A
まずCTの検査を。肺がんや感染症の場合も
今回は痰の中に血が混ざっていたという方からのご質問です。
このように、痰に血が混ざっている場合を、専門的には「血痰」といいます。
同じように気道系から血液成分が喀出される場合に「喀血」という言葉もありますが、吐き出すものがほとんど血液の状態の時に使用します。
ついでに説明しますと、胃や食道といった消化管からの出血の場合には「吐血」といいます。
ご質問の内容は、血痰が出て、さらに咳も続いているということですので、何らかの肺の病気が潜んでいる可能性がございます。
ご心配をされているように、肺がんであることも否定できませんし、あるいは結核などの感染症や気管支拡張症などの肺の病気でも、血痰や喀血が出るということが知られています。
感染症の場合には、咳や血痰の他にも、微熱が続くなどの症状が現れることがありますので、そのような症状に心当たりがある場合には注意が必要です。
あなた自身がおっしゃる通り、まずはこの機に胸のCT検査を行い、肺がんであるかどうかの確認をしてみることをおすすめいたします。
さらに痰を検査して、中にがん細胞が含まれていないかどうかを調べることもできますし、培養検査といって、痰の中に結核菌やその他の感染症の元となるばい菌が含まれていないかどうかを調べることもできます。恐い病気が潜んでいないか、一度詳しい検査を受けられてはいかがでしょうか。
検査の結果、そういった病気がなかった場合、まずは一安心です。
何らかの原因で喉に炎症が起こると、粘膜から僅かに出血をする場合もあるので、それが血痰のように見えたりします。
また、万一の事ですが、喉のがんである可能性もございます。
喉の炎症がどの程度のものか、耳鼻科で検査を受けていただき、適切な治療を受けるようにしてください。(老友新聞)