年齢を重ねると「肩のコリ」や「筋肉のこわばり」がなかなか取れない――。そんなあなたの悩み、自分で簡単に解消できるかもしれません。多くのアスリートが信頼を寄せるスポーツトレーナー・のぐち径大さんの著書『ながら筋膜リリース』(あさ出版)から、筋肉をほぐす話題のストレッチ「筋膜リリース」のやり方を抜粋してお届け。家事をしながらでもできる実用的なメソッドを連載形式でご紹介します。
歯磨きしながら内もも・首・胸まわりをリリース
【ながらシチュエーション:歯みがき】
筋肉の部位
・上部僧帽筋(首)
・小・大胸筋(胸)
・内転筋群(太ももの内側)
ここに効く
・体幹が安定し走ったり、歩行がしやすくなる
・ヒップアップによる美尻効果や、太もものシェイプアップ
・首のシワやたるみ防止に効く
・肩こり予防・痛みの緩和
ももの内側にある内転筋群は、ももを閉じる動作だけではなく、ももを前後に動かす動作にも関係します。内転筋群の動きの低下は、歩行の効率低下につながります。意識してコントロールしていかないと固くなりやすい筋肉なので、歯磨きしながらの筋膜リリースでゆるめましょう。毎日の習慣に取り入れやすいカンタンな動作なので、無理なく行えます。
ポイントは内ももをしっかり開くこと。体を沈めるときに、ももが自然に閉じてきてしまうので、握り拳で内ももをしっかり押して閉じないようにしましょう。
1.正面を向き、足を肩幅より広めに開く
正面を向き、足を肩幅より広めに開きます。つま先は外向きにし、握り拳を太ももにしっかりあて、押し続けます。
2.身体をまっすぐにしたまま重心を落としていく
坐骨を垂直に落とすようなイメージで身体を沈ませます。同時に、太ももに当てた握り拳で、しっかり太ももを押し続けましょう。
3.顔を横に向ける
身体は正面を向いたまま、胸を開く感じで顔だけ横に向けます。このとき、握り拳側の肩が一緒についていかないように(肩を残すようなイメージで)しっかりと開きましょう。
リリースPOINT:首を上下に動かしてより負荷をかける
3のポーズから顎を軽く引き、下を向きます。その後、後方に首を傾けます。負荷のかかり方が変わり、リリース効果が高まります。
シャツを着ながら脇腹・前もも・背中をリリース
【ながらシチュエーション:シャツを着る】
筋肉の部位
・広背筋(背中)
・腹横筋・腹斜筋(お腹まわり)
・大腿四頭筋(前もも)
ここに効く
・腰痛予防・痛みの緩和
・便秘解消
・お腹・太ももまわりのシェイプアップ
・走るのが速くなる
毎日の「洋服を着がえる」動作でも筋膜リリースは行えます。シャツの袖に手を通すときに、腕から前ももを思い切り伸ばしましょう。腕のつけ根から脇腹にかけて、筋膜リリースされます。左右の袖で行いましょう。
伸びたまま後ろに反れば、さらに下腹部と前ももが伸びます。前屈すれば背中も伸びます。シャツの羽織り方を変えるだけで、上半身から前もものつけ根まで効率よくリリースできます。
血行がよくなり、身体全体がほどよくゆるみます。また、走るのが速くなる効果も期待できるので、スポーツをやっている人にもオススメです。
1.左腕と左足を同時に伸ばす
左足を一歩引き、かかとを上げ、膝を軽く曲げます。シャツを肩にかけて左手を袖に通しながら、左腕を頭の右斜め上に遠まわりさせるイメージで伸ばしていきます。
2.脇腹を伸ばしたまま後ろに反る
下半身は1の体勢のまま、後ろに身体を反らしましょう。股関節から反ることを意識します。このとき、引いている足に体重をのせましょう。
3.脇腹を伸ばしたまま前屈する
脇腹を伸ばしたまま、ゆっくりと前屈することで背中の伸びを感じたらOK。反対側も同様に行いましょう。
リリースPOINT:かかとを浮かすことを意識して
ふんばるイメージで膝を軽く曲げ、引いた足のかかとを浮かします。こうすることでリリース効果が高まります。
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