暑さが厳しくなり、「だるい」「疲れる」と感じている人は、腎(主に腎臓+副腎)をいたわってあげることが大切です。そこで、西洋医学と東洋医学を融合させ、心と体の健康増進を支援する「スプリンカムプロジェクト」で活躍中の岡山大学病院(脳神経内科)病院講師の菱川 望先生と、ヨーガ講師の高橋依子さんに、腎の健康にも最適な「水分補給」の方法についてお聞きしました。
麦茶で腎ケア&夏冷え改善
ちなみに副腎は、左右の腎臓の上にある臓器。重さ5g程度と小さな器官ですが、 副腎皮質ホルモンやカテコラミンと呼ばれる、生命や血圧の維持に欠かせない、重要なホルモンを分泌しています。
「腎の働きが低下すると、血行が悪くなり、必要な酸素や栄養が全身に行き渡らなくなります。その結果、疲れやすくなったり、だるさを感じるようになります。また、腎には体内の老排物を排出する働きだけでなく、水分量を調節する働きもあります。特に夏場は脱水症状を起こしたり、冷房で体が冷えてむくんだりしやすいので、腎の働きを促して調子のいい体の維持に努めましょう」と、岡山大学病院講師の菱川望先生。
そんな暑い時期の脱水予防として、こまめな水分補給におすすめしたいのが「麦茶」です。
麦茶はカフェインが含まれていないので利尿作用も低く、水分補給にぴったり。さらに、カルシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルも豊富で、腎の健康にも最適です。
「冷房などによる夏の冷えには、温かい麦茶にシナモンやヒハツをひと振り。お好みで黒砂糖を加えてもいいでしょう」(高橋さん)
冷え改善には、麦茶+シナモン、ヒハツ
■シナモンの働き
シナモンには、血管を拡張させて血液の流れを良くする働きがあります。また、脂肪代謝を促し、血糖値のコントロールにも役立ちます。
■ヒハツの働き
ヒハツはこしょうの一種で、沖縄ではよく使われています。血管を拡張し、血流の量を増やす、代謝を上げるなどの効果があります。
取材・文/笑(寳田真由美) 撮影/西山輝彦