急にくる「下痢」や長く続く「便秘」に悩んでいる女性も少なくないはず。そこで、排便トラブルのスペシャリストである大腸・肛門機能の専門医による話題の書籍から「排便の正しい知識と対処術」をご紹介!目指すべき理想の便「するするバナナ」についてや、多くの人が誤解して陥りやすい「うんこトラップ(罠)」、またその予防・対処術としての「うんトレ」のエッセンスを、連載形式でお届けします。
※この記事は『うんトレ ― 誰にも言えないうんこのトラブル「スッキリ解消! 」ブック』(神山剛一・医療監修/方丈社)からの抜粋です。
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気持ちいい排便にたどり着くためのうんこ観察
トイレに行っても思うように便が出なければ「便秘」、お腹がゴロゴロ、ぎゅるぎゅるして急降下が起これば「下痢」。確かに、風邪や消化不良、食あたりといった何らかの原因でそうした症状が起こることはありますが、そのような排便トラブルは一過性です。
症状を繰り返したり、慢性化して困っているとしたら、排便プロセス(食事をしてから排泄されるまで)のどこかで何か不具合が生じている可能性があり、うんこをじっくり観察もせず、「便秘」や「下痢」と自己診断して対処するのでは改善しません。
まずどんな悩みでも、排便のトラブルを感じているのなら、自分のうんこを観察し、評価しましょう。医学的に言うと「うんこアセスメント」。問題は、出てきたうんこだけが物語るのです。昨日か、今朝か、直近のうんこを思い浮かべてみましょう。
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もし紹介している「するするバナナ」が1本以上出ていたなら、排便プロセスに問題はなく、便秘ではありません。しかし、「するするバナナ1本」でも自分として不満足で、困っていれば、便秘ではなくても排便トラブルで、何らかのケアは必要です。
そして医学上の定義では、正常な排便は「日に3回~3日に1回」とされていますが、うんこを形成する腸のしくみは神山先生をして「ブラックボックス」だそうで、未知の部分が多いのです。
現実的には1週間に1回でも「するするバナナ」が1本以上、安定して出ていて、何も困っていない人もいます。何も困っていないのですから、排便トラブルではありません。排便プロセスが良好な状態が保てている生活を続ければいいわけですが、「4日以上出ないと便秘」といった情報を真に受けてしまうと不安になり、下剤を乱用して、排便トラブルをまねいてしまう、といったことも起こります。
「排便回数・間隔・質(性状)・量は、個人差がある腸のはたらきと食事との関係が大きく、いちがいに言えない」という認識で、うんこを見ましょう。「なるほど、あの食事だったから、このミニバナナね」などと自分で得心のいくうんこかどうか、観察・評価するのです。
また、排便プロセスのどこかに不具合があっても、別のどこかが補えば「するするバナナ」が出て、体調も良好という場合も。なので、どのような症状で悩んでいる人も、まず「するするバナナ」基準で、自分のうんこを寛容に見る習慣をもちましょう。
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