「食べるとすぐ眠くなる」「疲れやすくなった」。こうした症状、もしかしたら「食べすぎ」のせいかもしれません。そこで今回は、医学博士・青木厚先生による話題の著書より、「空腹」の力を活用した食事法や、そのメリットについてお届けします。
※この記事は『「空腹」こそ最強のクスリ』(青木 厚/アスコム)からの抜粋です。
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究極の食事法のデメリットは、筋力が落ちてしまうこと
「1日に16時間の空腹」を作ることで、内臓を休め、脂肪を燃やし、細胞を蘇らせ、体をリセットする。そんな究極の食事法ですが、そのやり方について、最後に一つ、みなさんにお伝えしておかなければならないことがあります。それは、
この食事法を実行する際には、必ず、簡単な筋トレを、並行して行ってください。
ということです。
空腹の時間を作ると、一日の総摂取カロリーが減り、体重も減少します。
その際、もちろん内臓脂肪が分解されるのですが、同時に、人体にとって必要な筋肉も落ちてしまいます。
というのも、外部(食べもの)からエネルギーが入ってこなくなると、体は、脂肪だけでなく、筋肉をも燃やして、エネルギーに変えようとするからです。
筋肉量が減少すると、基礎代謝量が減るため、かえって太りやすい体質になってしまいます。特に高齢者の方は、体を支えるのも難しくなってしまう可能性があり、非常に危険です。せっかく健康のために空腹の時間を作っても、それでは逆効果になってしまうのです。
特別な筋トレではなく、生活の中でできるトレーニングを
もっとも、「筋トレ」といっても、特別なことをする必要はありません。
「階段を上り下りする」「腕立て伏せや腹筋、スクワットを、できる回数だけやる」といった程度のことで十分です。
実際、私も、日々この食事法と並行してトレーニングを行っていますが、その内容は「朝、腕立て伏せと腹筋をやり、しんどくなったらやめる」というものです。
過度の運動は、活性酸素を発生させる原因にもなります。とにかく「無理のない範囲でやる」ことを心がけましょう。
なお、体重60キロの人が20分程度、ゆっくりと階段の上り下りをすると、約100キロカロリー消費するといわれています。これは、体重60キロの人が12分程度、ジョギングを行った場合の消費カロリーに匹敵します。
階段の上り下りも、日常生活の中でできる立派な有酸素運動なのです。