高血圧予防で注目!「オレオカンタール」って知ってる?

シミ、シワ、たるみ...。こうした肌のトラブルを体の内部から防ぐ「血管力」。今回はこの血管力の大敵である動脈硬化について、また抗炎症作用などで最近注目されている「オレオカンタール」という成分について、東京都健康長寿医療センター副院長の原田和昌先生から教えてもらいました。

 
pixta_20970746_S.jpg動脈硬化は加齢とともに進行します。それを助長するのが生活習慣病です。

高血圧、糖尿病、脂質異常症は動脈硬化を加速させて病気につながるのはもとより、毛細血管も詰まらせるなど血の巡りを悪くします。

「女性は中年期頃までは体重が増えても、女性ホルモンに守られるため、比較的男性よりも生活習慣病になりにくい。しかし、閉経後の女性ホルモンの急激な減少で、60歳以降は女性の方が男性よりも高血圧になりやすいのです。肥満。糖尿病や脂質異常症も進行することで血管へのダメージは大きくなります」と原田先生は指摘します。

肥満や糖尿病は動脈硬化を進めます。血管の柔軟性が失われると血管壁への血流の圧力が強くなり高血圧につながります。塩分の多い食事は、血中の塩分濃度を薄めるために血液量が増え、やはり血管壁に圧力がかかり、高血圧と動脈硬化が進行するのです。

そんな血管壁に、脂質異常症により悪玉コレステロールがたまると、血流が悪くなると同時に血栓が生じやすくなり、狭心症は心筋梗塞などの病気を引き起こすのです。血管の健康維持は病気予防のためにとても大切です。結果として、肌つやもよくなれば一石二鳥です。

「高血圧予防では、減塩を心がけること、体内のナトリウムを排出しやすくすることがポイントになります。野菜や果物、低脂肪の乳製品、魚、ナッツ類などに含まれるカリウム、カルシウム、マグネシウムは、ナトリウムの排出に役立ちます。また、オリーブオイルの高血圧改善効果についても、昨年、研究報告がありました。地中海食が心筋梗塞や認知症などの病気予防に役立つことが示唆されていることに関係していると考えられます」と原田先生。

地中海食は、オリーブオイルを多く使用し、全粒穀物、野菜や果物、豆やナッツ類、乳製品、魚などを中心としています。伝統的に地中海食を食べる人々は生活習慣病やそれに伴う心筋梗塞などが少ないため、さまざまな研究報告があります。

その一つとして、エクストラ・バージン・オリーブオイルに含まれるオレオカンタールというピリッと辛い成分に、抗炎症作用や抗酸化作用があることが明らかになったのです。1日大さじ4杯程度を摂ると健康に役立つといわれています。

「魚やナッツ類などに含まれる油の成分・オメガ3(不飽和脂肪酸)も、抗炎症作用があり、中性脂肪を下げるとの報告があります。体に良い油を摂ることで血管の機能が良くなり、動脈硬化の改善にもつながるのです。食生活をぜひ見直していただきたいと思います」

生活習慣病予防には、かつて油を控えることが推奨されていましたが、良い油は程良く摂ることで改善が期待できるのです。生活習慣で血管力を高めて健康を維持し、肌のハリやツヤも取り戻しましょう!

 

■知っておきたい達人のツボ1

最近よく聞く「血管年齢」とは?
血管年齢は、動脈硬化がどこまで進んでいるかを調べる 「脈波伝播速度※」で示されま す。心臓から動脈へ流れる血 液とともに生じる脈波の速度を測ることで、血管が硬くなっているか、柔らかい状態かを簡単に調べることができます。実年齢よりも血管年齢が高ければ高いほど、動脈硬化が進んでいる証です。心筋梗塞や脳卒中、認知症などにもなりやすいため、動脈硬化の進行を止める食生活の見直しが重要になります。

※脈波伝播速度による血管年齢の測定は、大学病院などの医療機関にお問い合わせを

 

■知っておきたい達人のツボ2

覚えておきたい「オレオカンタール」の作用
エクストラ・バージン・オリーブオイルのピリッと辛い成分がオレオカンタールで、 抗炎症作用や抗酸化作用で注目されています。老化は体内の炎症で引き起こされ、動脈硬化にも炎症が関わるため、健康長寿に寄与する成分として期待されています。

 

取材・文/安達純子

 

<教えてくれた人>

原田和昌(はらだ・かずまさ)先生

東京都健康長寿医療センター副院長、循環器内科。東京大学医学部卒。米国ハーバード大学研究員、東京大学医学部附属病院を経て2009年に東京都健康長寿医療センター内科統括部長、2012年より現職。

この記事は『毎日が発見』2019年4月号に掲載の情報です。
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