気づいた時に座ったままでOK!「関節軟骨型体操」で股関節痛を解消

股関節(こかんせつ)が痛むと歩くのが不自由になり、生活に支障が出てしまいます。股関節に痛みを感じている人は、簡単にできる4つの体操で痛みの原因となっている部位を見つけ、股関節痛を改善させましょう。「変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)」などの股関節痛が起こるしくみや、家庭で実践できる「痛みのタイプ別体操」、日常生活で痛みを和らげるコツについて医学博士の銅冶英雄先生に教えていただきました。

前の記事「しつこい股関節痛には、股関節のゆがみを正す「関節包(かんせつほう)型体操」を(5)」はこちら。

 

痛みの原因がどの部位からきているのかを見極めて正しい体操を行うために、「痛みのタイプ別体操」の具体的な方法を一つずつ紹介していきます。順番に体操して「痛みの強さ」「痛みの範囲」「歩きやすさ」が改善したかどうかをすぐ確認しましょう。痛みの原因が分かれば、その原因に合った体操を毎日繰り返すことで、症状を軽減させることができます。

「痛みのタイプ別体操」を行うときはここに注意しましょう

「痛みのタイプ別体操」を始める前に、体操してもよいかどうか、股関節の痛みの程度や動く範囲、病歴などを確認します。下記の「行ってはいけない人」に該当する人は体操を控えます。「注意して行う人」の場合は、痛みが強くなったら体操を中止し、整形外科を受診しましょう。

行ってはいけない人
・転倒が原因の股関節痛の人は、骨折の疑いがあるので行わない。
・感染症の発熱による股関節痛の人は行わない。
・進行がんで股関節に転移し、痛みがある人は行わない。

注意して行う人
・関節リウマチの人は関節炎の疑いがあるので注意する。
・人工股関節手術を受けた人は脱臼に注意する。
・ステロイドホルモン剤を投与したことがある人は主治医に相談する。

 

 

関節軟骨型:股関節にゆるやかな負荷をかける「つま先パタパタ体操」

つま先を上下に動かすと、股関節が緩やかに動き、内部の「関節液」の循環を促します。
●気が付いたらいつでも。できるだけ長く行うようにする。

・用意するもの:いす

1903_p042_07.jpgキャスターのついていない安定性の良いものを用意します。

 

1. 痛みのある脚を前に出す
1903_p043_01.jpgいすに座って背筋を伸ばし、手を太ももに置いて、痛みのある側の脚を一歩前に出します。

 

2. つま先を上下させる
1903_p043_02.jpg前に出した脚のつま先を小刻みにパタパタと上下させ、股関節に緩やかに負荷がかかるよう動かします。

<やり方のコツ>
・ひざが痛い人でも、いすに座れば無理なく動かせます。
・股関節の力を抜き、かかとを軸につま先をリズミカルに動かします。
・つま先の上下運動は、貧乏ゆすりのように小刻みに動かします。

 

 
関節軟骨型:股関節の力を抜きながら行う「かかとトントン体操」

かかとを貧乏ゆすりのように小刻みに動かし、股関節内部の「関節液」の循環を促します。
●気が付いたらいつでも。できるだけ長く行うようにする。
・用意するもの:いす

1. 痛む側の脚を引く
1903_p043_03.jpgいすに座って背筋を伸ばし、太ももに手を置きます。痛む側の脚を半歩手前に引きます。

 

2. かかとを小刻みに動かす
1903_p043_04.jpg痛みがある側の脚のかかとを上下させ、「貧乏ゆすり」のように小刻みに動かします。

<やり方のコツ>
・ひざが痛い人でも、いすに座れば無理なく動かせます。
・股関節の力を抜き、脚の力だけでかかとを上下させます。
・かかとは大きく動かすのではなく、小さい幅で動かします。

 

次の記事「治りづらい股関節の痛みに!テニスボールで筋肉をほぐす「筋肉型体操」を(7)」はこちら。
取材・文/松澤ゆかり 写真/齋藤ジン

 

<教えてくれた人>

銅冶英雄(どうや・ひでお)先生

お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック院長。医学博士、日本整形外科学会専門医。日本医科大学卒業後、千葉大学附属病院などを経て2010年より現職。著書『ビジュアル版 自分で治す!股関節痛』(洋泉社)など。

この記事は『毎日が発見』2019年3月号に掲載の情報です。

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