歩けないほどの痛みも!40〜50代女性に多い変形股関節症の起こる仕組みって?

股関節(こかんせつ)が痛むと歩くのが不自由になり、生活に支障が出てしまいます。股関節に痛みを感じている人は、簡単にできる4つの体操で痛みの原因となっている部位を見つけ、股関節痛を改善させましょう。「変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)」などの股関節痛が起こるしくみや、家庭で実践できる「痛みのタイプ別体操」、日常生活で痛みを和らげるコツについて医学博士の銅冶英雄先生に教えていただきました。

 
脚の付け根にある重要な関節が「股関節」

私たちの脚の付け根にある「股関節」は、骨盤と脚の大腿骨をつなぐ重要な関節です。下図のように大腿骨の丸い先端「大腿骨頭(だいたいこつとう)」が、骨盤のくぼみ「寛骨臼(かんこつきゅう)」にはまっています。大腿骨頭と寛骨臼の間には「関節軟骨(かんせつなんこつ)」があり、関節全体を「関節包(かんせつほう)」が覆います。   

■正常な股関節の図1903_p036_01.jpg
 

関節軟骨がすり減ることが原因で股関節痛が起きる

股関節の痛みの多くは「変形性股関節症」によるもので、そのままにしていると関節軟骨がすり減り、次第に骨が変形してしまいます。「変形性股関節症は40歳代から50歳代の女性に多く発症します。変形性股関節症になりやすいのは、大腿骨頭(だいたいこつとう)が寛骨臼(かんこつきゅう)にきちんとはまっていない『先天性股関節脱臼』や、寛骨臼のかぶせが足りない『臼蓋(きゅうがい)形成不全』の人です」と銅冶英雄先生は話します。


■こうして変形性股関節症は進む

・前股関節症(ぜんこかんせつしょう)1903_p037_01.jpg臼蓋(きゅうがい)形成不全など、股関節の形に異常が見られるが、大腿骨頭と寛骨臼の隙間は保たれている。軽い痛みを時折感じる程度。

 
・初期股関節症1903_p037_02.jpg関節軟骨がややすり減り、関節軟骨を支える骨が固くなる「骨硬化(こつこうか)」が起きる。「骨棘(こつきょく)」という異常な骨組織ができ始める。

 
・進行期股関節症1903_p037_03.jpg関節軟骨がさらにすり減って薄くなる。骨棘が目立つようになり、骨に「骨嚢胞(こつのうほう)」という空洞ができる。股関節の痛みが強くなる。

 

・末期股関節1903_p037_04.jpg関節軟骨が消失して骨同士がこすれて激しく痛む。骨嚢胞が増大して骨棘による骨の変形も進み、脚の付け根が伸ばせなくなる。

 

 
股関節痛を感じたら、「痛みのタイプ別体操」を!

変形性股関節症の治療には、「保存療法」と「手術」があり、保存療法には生活指導や運動療法などが含まれます。「治療のガイドラインでは、最初に行う治療として保存療法を推奨。私がすすめているのは運動療法の『痛みのタイプ別体操』です」と銅冶先生。

保存療法で改善が見られない場合は、寛骨臼を切ってずらす手術や、人工関節を入れる手術などを行うことがあります。

 

次の記事「神経、軟骨、筋肉...この痛みはどこから? 股関節痛の原因は人によって異なります(2)」はこちら。
取材・文/松澤ゆかり イラスト/やまだやすこ

 

<教えてくれた人>

銅冶英雄(どうや・ひでお)先生

お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック院長。医学博士、日本整形外科学会専門医。日本医科大学卒業後、千葉大学附属病院などを経て2010年より現職。著書『ビジュアル版 自分で治す!股関節痛』(洋泉社)など。

この記事は『毎日が発見』2019年3月号に掲載の情報です。

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