治療は軟膏やインソールを使いながら。手術で取るのはおすすめできません/魚の目・タコ・イボ

いつの間にか足にできている魚の目やタコ。症状がひどくなければ、「ヒールを履いているから仕方ない」「そのうちに治るだろう」と、そのまま放置していませんか?

実は、魚の目やタコは健康な足にはできません。「あって当たり前」ではなく、「なくて当たり前」の症状です。小さな症状ではありますが、足のバランスが悪くなっていることを知らせる初期のサインなので、きちんと受け止めて治療することが必要です。

魚の目やタコ、また、それらと間違えやすいイボについて、それぞれの特徴や原因、治療法などを、足専門クリニック「足のクリニック 表参道」院長・桑原靖先生にお聞きしました。

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薬やインソールの治療と並行して根本を改善

フットケア外来や足専門の医療機関では、足の骨の構造や歩き方などの各専門知識を持つ医師が診ながら、魚の目やタコを治療していきます。一般的な治療法は以下のようなものです。

■サリチル酸ワセリン含有の軟膏
角質を柔らかくする塗り薬。角質の代謝が早くなり、塗っているうちに、古い角質層がそぎ落ち、新しい皮膚が生まれます。乾燥によって皮膚がカサカサしたり、角質が厚くなったりしてしまう場合にも処方されます。

■スピール膏
サリチル酸を含む貼り薬。皮膚が厚く、硬くなった患部に貼ると、角質層が柔らかくなり、そぎ落ちます。

■研削(けんさく)
厚く硬くなった角質を薄く削り取るコーンカッター、電動やすりのように削るグラインダーなどを使います。

これらはいずれの場合も対症療法的な治療で、一時的に症状を和らげて歩きやすくするためのもの。これらの治療で完治するわけではありません。

 
また、特に効果的な治療法が、インソールを使って崩れてしまった足のアーチ構造を本来の形に補正すること。崩れたアーチは元に戻ることはありませんが、崩れたことによる二次的な足のトラブルは改善できます。

足を専門に診る医療機関では治療用のインソールをオーダーメイドで作製できるので、医師と相談してみるといいでしょう。保険が適用される場合もあります。

治療用インソールは足の状態によって素材や形状が異なりますが、基本的に硬い素材を使い、立体的な形をしています。足を載せると、土踏まずが持ち上がり、足のアーチの崩れを改善する仕組みになっています。常にこの状態をキープすることで、足をよい状態に保つことができます。

この他、魚の目の場合、局部麻酔をしてから患部をメスで切除して芯を取り除いたり、レーザーを患部に当てて芯を取り除いたりする外科的治療も行われていますが、桑原先生は推奨していません。なぜなら、魚の目は「切って取ったから治る」というものではないからです。

魚の目の根本的な原因は、足のアーチ構造の崩れやゆがみによるものなので、足に合った靴、正しい姿勢や歩き方、足にかかる力を分散させるインソールの使用、筋肉や関節のストレッチなどを取り入れて、自ら改善していくしかありません。

「もし手術をするとすれば、歩けなくなるほど深刻な症状の場合、手術によって足の骨を矯正することで圧力のかかり方を分散させることもあります。ですが、そこまで必要な方はめったにいません」(桑原先生)

 

次の記事「足の痛みやトラブルを防ぐ「足に優しい靴」の選び方/魚の目・タコ・イボ(7)」はこちら。

取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

 

<教えてくれた人>

桑原 靖(くわはら・やすし)先生

足専門クリニック「足のクリニック 表参道」院長。2004年、埼玉医科大学医学部卒業。同大学病院形成外科で外科医長、フットケアの担当医を務める。日本に足を専門的に診療する医療機関がほとんどないことに問題意識を持ち、2013年、足の医療に特化した「足のクリニック 表参道」を開院。専門医、専門看護師、足専門理学療法士などによるチーム医療で足の総合診療を行っている。年間約6,000人、これまでに延べ30,000人近くの患者を診察。著書に『元気足の作り方 美と健康のためのセルフケア』(NHKまる得マガジン/NHK出版) 、『外反母趾もラクになる!「足アーチ」のつくり方』(セブン&アイ出版)他。

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