脳を活性化するためには、脳の血行と神経伝達物質の働きを良くする必要があります。そのために欠かせないのがDHA(ドコサヘキサエン酸) とEPA(エイコサペンタエン酸)。これらを豊富に含むのが、いわしです。管理栄養士で料理研究家の牧野直子さんにおいしいイワシのレシピを教えてもらいました。
青背魚には脳機能アップするDHAとEPAが豊富
いわしをはじめ、さばなどを代表とする青背魚はDHAやEPAを豊富に含む食材として知られています。
DHAは、血液の流れを良くし、脳機能を向上させる効果がある食材。また神経細胞の働きをサポートするので、アルツハイマー病の症状改善も期待されています。EPAは血液をさらさらにする働きがあり、情報伝達物質の合成や神経の栄養になる物質を増やす作用があります。
青背魚が苦手な人は、スパイスを使うなど調理法で工夫すると、食べやすくなるので、ぜひ試してみてください。
また、脳には欠かせないもう1つの栄養が、たんぱく質。たんぱく質が不足すると、神経伝達物質の鈍化によって、集中力や思考力が低下してしまいます。血行を良くするビタミンE、かみ応えのある食物繊維の摂取も効果的なので、合わせて摂るとよいでしょう。
●1回に食べる量の目安
DHAとEPAを合わせて1日1000㎎以上摂るのが望ましいとされています。青背魚ならクリアしやすいでしょう。青背魚以外では鮭にも豊富に含まれています。
青背魚のほか、こんな食材も脳を活性化させます
■DHA、EPAを多く含む食品=うなぎ、まぐろ(とろ)、ぶりなど
青背魚以外に、脂を多く含む魚も良い。
■ビタミンEを多く含む食品=ごま油、アーモンドやピーナッツなどのナッツ類、卵など
老化予防に効果的。脳の血行を促進し、働きをスムーズに。
■食物繊維を多く含む食品=もち麦、雑穀米、ごぼう、たけのこなど
よくかむことで脳の血流が増加し、脳に酸素や栄養が行き渡る。
食物繊維の豊富な麦ご飯にのせて効果倍増!
「いわしのかば焼き丼」
1人分405kcal 塩分1.6g
【材料】(2人分)
いわし...大2尾
塩...少々
片栗粉...適宜
ししとうがらし...10本
A ゆずこしょう...小さじ1
酒・みりん...各大さじ1
塩...少々
サラダ油...少々
もち麦ご飯...300g
【作り方】
1 いわしは開いて骨を除き、塩、片栗粉をふる。ししとうは竹串で何カ所か穴を開ける。
2 フライパンに油を熱し、いわしを両面焼き、空いているところにししとうも加えてしんなりするまで炒める。
3 ししとうに塩少々(分量外)をふって取り出す。Aを回し入れていわしに味をからめる。
4 器にもち麦ご飯を盛り、3のいわしをのせ、ししとうを盛り合わせる。
食物繊維の豊富な根菜とともに栄養を汁で丸ごと摂取
「いわしと根菜のつみれ汁」
1人分179kcal 塩分1.7g
【材料】(2人分)
いわし
(三枚おろし)...大2尾分
塩...少々
片栗粉...大さじ1/2
しょうが汁...小さじ1/2
大根...50g
にんじん...50g
ごぼう...50g
長ねぎ...30g
だし汁...2 1/2カップ
しょうゆ...小さじ2
七味とうがらし...少々
【作り方】
1 いわしは包丁で細かくたたき、塩、片栗粉、しょうが汁を加えて団子状に丸める。大根とにんじんは5㎜厚さのいちょう切りに、ごぼうは5㎜厚さの斜め切りにする。ねぎは小口切りにする。
2 鍋に大根、にんじん、ごぼう、ねぎを入れ、かぶるくらいの水を加えて火にかけ、沸騰してから5分ゆでてざるに上げる。
3 鍋にだし汁、2を入れて火にかけ、煮立ったら1のいわしを加える。
4 5分ほど煮ていわしに火が通ったらしょうゆを加えて、味をととのえる。
5 器に盛り、七味とうがらしをふる。
ごま油のビタミンEと抗酸化力の高い酢で老化予防
「いわしの焼き浸し中華風」
1人分257kcal 塩分1.6g
【材料】(2人分)
いわし(三枚おろし)...3尾分
片栗粉...適宜
長ねぎ...1本
A ポン酢しょうゆ...大さじ2
水...大さじ2
赤とうがらしの
小口切り...1/4本分
ごま油...大さじ1
【作り方】
1 いわしは1切れを2等分して片栗粉をふる。ねぎはぶつ切りにする。
2 フライパンにごま油を熱し、いわし、ねぎを入れてこんがりと焼きつける。
3 ボウルにAを入れて混ぜ合わせ、2を加えて30分ほど浸す。
取材・文/細川潤子 撮影/原 務 栄養計算/スタジオ食