慢性的な便秘ではないとしても、ガスが溜まり、下腹が張って苦しい......そんな不快感に悩まされた経験は、誰しもあるのではないでしょうか。いつの間にか治っていて、気に留めない人も多いもの。ですが腸の不調は、実は寿命の"早送り"につながるのです。
『寿命の9割は腸で決まる(幻冬舎新書)』の著者・松生恒夫先生は、「便秘外来」の看板のもと、延べ4万人以上の腸を診てきた"腸健康法のスペシャリスト"。松生先生は、機能が低下した大腸の状態を「停滞腸」と呼び、これが続くと便秘になるほか、溜まった老廃物から有害物質が発生して、肌荒れなどの不調を招くと指摘します。また、はやりの糖質制限も、腸にダメージを与えるといいます。
さらに怖いことに、腸内環境の悪化は、大腸がんや糖尿病など寿命を左右する病気の発症にも関わるとか。「停滞腸」の解消こそが、"健康長寿"への鍵なのです。
本書では、大腸を動かす食材や日常生活の工夫など、腸の調子を取り戻す方法が紹介されています。その中から、"内側から大腸を鍛えるお茶"を早速試してみました!
ジンジャー、ココア、ペパーミントetc. 腸を鍛える食材で夏に備える!
【シナモン入りジンジャーティー】
体を温める健康食材として知られるショウガを、血行を良くする作用があるとされるシナモンと合わせたドリンクです。
作り方は、約500ミリリットルのお湯に、チューブ入りのショウガを1~2センチほど入れ、シナモンパウダーとオリゴ糖を適量加えたら出来上がりと、とても簡単!
飲んでみると、お腹の中からじんわりと温まるような感覚が。スパイシーな風味とやさしい甘みで、予想以上に飲みごたえがありました。材料さえそろえておけば、お湯を沸かすだけですぐできるので、忙しい朝にもおすすめです。
【ココアミントティー】
本書によると、ペパーミントに含まれるメントールには、腸を弛緩させる作用があるとか。これに、食物繊維が豊富で便秘解消が期待できるココアを合わせます。
300ミリリットルのペパーミントティー(ペパーミントのティーバッグを使います)に、ココア大さじ1杯と、オリゴ糖ティースプーン2杯を加えたらできあがり。ココアは、カカオ70%のものが良いそうです。
ミントのさわやかさと濃厚なカカオ感が合わさって、ミントチョコを思わせる味わい。ミントティーがベースで後味がさっぱりしているので、暑い季節でもおいしくいただけそうです。
一息つきたいときや仕事中に、これらのドリンクを楽しむこと1週間。下剤ではないので「いきなりドッサリ!」ということはありませんでしたが、下腹の張りなど、不快な症状は軽くなり、お通じもスムーズに。温かい飲み物は満腹感も得られ、間食を減らせたのもうれしい変化でした。
これから夏にかけて、冷たい飲み物をとる機会が増えてきます。冷たいものでおなかを冷やすことは、腸にとってはマイナスの生活習慣。これらのホットドリンクを積極的に飲み、スッキリした腸で夏に備えてみては?
文/さいとうあずみ
(松生恒夫/幻冬舎)
健康長寿の鍵は、腸の健康状態にあった! 延べ4万人以上の腸を診てきた専門医が、働きが低下した「停滞腸」を解消するコツを詳しく解説。整腸に効く食材から、生活習慣のポイント、毎日続けられる運動法まで、腸健康法が満載の一冊。