成長期の子どもから低栄養に陥りがちな高齢者まで、必要な栄養素が手軽にとれる!と注目を集めている卵。ということは、卵を使ったマヨネーズにも知られざる魅力や利点がもっとあるはず。そこで、マヨネーズと健康の関係から料理がもっとおいしくなる裏ワザまで、キユーピー株式会社の高齢者食育推進部の植村和之さんと、研究開発本部の西山 博さんに伺いました。
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マヨネーズの原料は?
子どもから高齢者までなじみ深い調味料のひとつ・マヨネーズ。でも、どんなものでつくられ、どんな栄養素が含まれているか意外に知らない人も多いのでは?
「市販のマヨネーズに使用できる原料は、食品表示基準で厳しく決められています。着色料、保存料、増粘剤などは一切使用できません」と高齢者食育推進部の植村和之さん。では、どんな材料が使われているかというと、植物油70%+卵・酢30%(調味料・香辛料含む)だけ。実にシンプルです。
「450gのキユーピー マヨネーズには、卵約4個分の卵黄を使用しています。卵には私たちが必要とする栄養素がたくさん含まれていますが、中でも卵黄にはたんぱく質やビタミンA・Dが豊富に含まれています。卵黄に含まれる脂質のうち約30%はリン脂質と呼ばれ、脳や神経組織、細胞膜の一部をなす重要な物質です」(植村さん)。
また、植物油に含まれる脂質は、人間にとって大切な3大栄養素のひとつで、重要なエネルギー源です。「野菜に含まれるカロテノイド類(ルテインやリコピンなど)など脂溶性栄養素は、植物油と一緒に食べると体内での吸収が促進されることが分かっています」と研究開発本部の西山 博さん。
そして、酸味の決め手の酢。酢には細菌の繁殖を抑え、腐敗を防ぐパワーがあります。
「皆さんよく気にされるのがマヨネーズの塩分量ですが、実はマヨネーズ大さじ約1杯(15g)当たりの食塩相当量は0.3gです。塩少々が0.5g程度といわれますが、それよりも少ない量なんですよ」と植村さん。
出典元:キユーピー(株)「健康長寿の3つの柱」
マヨネーズは高齢者の味方!
ちなみに、マヨネーズ大さじ約1杯(15g)当たりのたんぱく質は0.4g、エネルギーは100kcal。少量でも効率的にたんぱく質やエネルギーを補給できることから、近年、高齢者の低栄養予防に役立つと注目を集めています。
「高齢になると口腔機能が低下しやすくなり、噛む力や飲み込む力が衰えます。健康長寿のための食事に野菜やフルーツなどに多く含まれる栄養素・食物繊維は欠かせませんが、パサついて食べにくいという声をよく耳にします。そんなパサつきがちな野菜やいも類などもマヨネーズで混ぜたり、あえたりすれば食材を食べやすくくっつけてくれて、コーティング効果でのどごしよく飲み込みやすくなります。また、卵焼きやオムレツを調理するときに混ぜると、冷めてもふんわりとした食感に仕上がるので、高齢者に限らず食べやすくなりますよ」(植村さん)。
高齢者の食べやすさをサポートしてくれるマヨネーズの使い方として、植村さんが紹介してくれたのが「Wソース」。野菜サラダなどパサパサした葉物類をあらかじめドレッシングでサッとあえておき、その上にゆで卵やカットフルーツなどをトッピングします。最後にマヨネーズをかけ、全体をよく混ぜて食べるというもの。食材どうしがなじんでグッと食べやすく飲み込みやすくなり、しっかり量も食べられます。
カットサラダにキユーピーの「ふわとろたまごのスクランブルエッグ」とマヨネーズをかけて
また、高齢になると味覚も鈍くなり、味つけもついつい濃くなりがちですが、マヨネーズは少ない塩分量でも卵黄のコクや酢の酸味のおかげで食味がアップ。マヨネーズだけでもおいしく食べる一助になってくれますが、しょうゆやみそなどほかの調味料と混ぜて使うことで塩味を薄く感じさせることなく、コクのあるおいしさが得られるのも魅力。ケチャップ+マヨネーズのオーロラソースや、みそ+マヨネーズのみそマヨなどはおなじみですね。
「ダイエットを意識している若い女性や、医師や栄養士から栄養指導を受けている方などはマヨネーズのカロリーを気にされることが多いのですが、キユーピーでは通常のマヨネーズに加えて、カロリー50%オフの『キユーピーハーフ』からカロリー80%オフの『キユーピーライト』、コレステロールがゼロでカロリー50%オフの『キユーピー ゼロ ノンコレステロール』などさまざまな種類を展開しています。また、植物性ステロールの働きでコレステロールを下げる特定保健用食品『キユーピーディフェ』や血圧が高めの人向けの機能性表示食品『キユーピー アマニ油マヨネーズ』などもありますので、ご自分の好きな味、体調に合ったものを選んで上手に使ってください」と広報部の森田里佳さん。
次の記事では、マヨネーズを使うといつもの料理がもっとおいしくなる裏ワザを教えてもらいます!
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取材・文/岸田直子