卵の栄養を一番多く摂れる調理法は? 卵が好きになる「卵」ミニ知識

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昭和生まれなら耳にしたことがある「巨人・大鵬・卵焼き」。その人気の食べ物「卵」は高齢者の低栄養予防に欠かせない食材として、中年期の飲みすぎ食べすぎで弱った肝臓の回復をフォローする食材として、最近再び注目を集めています。知っているようで意外と知らない卵のトリビアを、キユーピー株式会社の高齢者食育推進部の植村和之さんと、研究開発本部の西山 博さんに伺いました。

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前の記事「「卵は1日1個まで」は過去の話!? 卵の栄養をおさらいしよう(2)」はこちら。

 

赤玉と白玉の違いは?

比較的安価な白玉に比べ、赤玉は値段が高く、なんとなく高級感すら漂っている気がしますが、味や栄養価も違うのでしょうか。

「卵の殻の色は、鶏の種類によって決まります。一般的に白玉を産む鶏は羽毛の色が白い鶏で、赤玉を産む鶏は羽毛が褐色もしくは黒っぽい鶏です。栄養成分については、ほとんど違いはありません」と研究開発本部の西山 博さん。

「価格的に赤玉のほうが高いのは、赤玉を産む鶏がたくさん餌を食べるわりに産卵個数が少ないことが、価格に反映されているようです」と高齢者食育推進部の植村和之さん。

 

卵によって黄身の色が異なるのはなぜ?

黄身の色が濃いほど、味が濃く、栄養たっぷりのような気がしている人は多いのでは?
「黄身の色の濃い薄いは、飼料の素材や配合によって異なります。栄養価に違いはありません。パプリカやマリーゴールドなど赤い色素を多く与えると、黄身の色はオレンジがかった濃い黄色になります。逆にお米など白っぽいものを食べさせると黄身も白っぽくなるんですよ」(西山さん)。

同じパック内の卵でも、いくつか割ってみると黄身の色が違うことがありますが、それで一喜一憂する必要はないということですね。

 

 

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卵の栄養を一番効果的にとる調理方法は?

生で食べるほうがいいのか、火を通して食べたほうがいいのか、意外に悩むところです。
「栄養素の吸収率は調理方法でそれほど変わりません。例えば、生卵と半熟卵、かたゆで卵の栄養素の吸収率にほとんど違いはありません。いいかえれば卵は"調理法を選ばない"マルチな食材、ということになります」(西山さん)。
そのときの体調や気分、調理にかけられる時間によって、いろいろな調理が楽しめるのも卵ならではの魅力です。

 
卵に含まれる栄養分やコスパを他食材と比較してみると?

肉や魚でたんぱく質をとるよりも卵のほうが効率的なのでしょうか? また、ビタミンやミネラルは?

「卵のたんぱく質含有量は多いわけではなく、多さでいえば肉や大豆のほうがまさります。ただ、体内でのたんぱく質利用効率という点から見ると、乳、肉、魚、大豆を抑えて卵がトップ。つまり、卵は体内で効率よく利用される良質なたんぱく源といえます。ビタミン類もビタミンCを除いて体に必要なビタミン類を万遍なく含んでいるのが特長。また、ミネラルは、不足すると心疾患を引き起こすとされるセレンを豊富に含んでいる点に新たな注目が集まっています」(西山さん)。

さらに、コストパフォーマンスの面から見ると「卵は肉や魚より安いのはもちろん、1g単位の単価で計算すると大豆製品よりも安価です。しかも日持ちがいい。栄養面とコストパフォーマンスの2面をあわせて考えると、これほど優秀な食材はほかにありません!」(西山さん)。

確かに2011年の東日本大震災発生後、電力不足による節電生活が話題になったとき、冷蔵庫が使えなくても常温保存できる食材として、卵に注目が集まりました。「常温保存できるという利点は意外に知られていないかもしれませんね。ただし、卵は温度差を嫌うので、常温保存する場合は最初から冷蔵庫に入れないことです。いったん入れて冷やしてしまったら、そのまま冷蔵保存してください」(西山さん)。

 

卵と一緒に食べるとよい食材は?

「1日に必要な主な栄養素をほぼ含んでいる卵ですが、ビタミンCと食物繊維だけは足りません。なので、この2つの栄養素を補う食材を一緒にとるように注意しましょう」と植村さん。そこで、足りない栄養素を補ってくれるうえ、効率よく各栄養素を摂取できるレシピを西山さんに教えていただくと――

●納豆卵かけご飯+海苔+緑茶
動物性たんぱく質(卵)と植物性たんぱく質(納豆)が一度に摂取でき、卵では含有量が少ない糖質(炭水化物)をお米から、含まれていない食物繊維は納豆、ビタミンCは海苔と緑茶から摂取できます。

●ブロッコリーとトマトを使ったスパニッシュオムレツ
ブロッコリーやトマトに多いカロテノイド類(ルテインやリコピンなど)やビタミンEは、脂溶性栄養素で脂質と一緒に体内に貯蔵することができます。脂質を含む卵と一緒に摂取することで吸収が促進されるのです。また、卵に含まれていない食物繊維とビタミンCがブロッコリーから摂取できます。

ポイントはビタミンCと食物繊維を補うこと&野菜はブロッコリーとトマトを優先的に!と覚えておけば、いろいろなアレンジが楽しめそうです。

 
卵を一番よく食べる国は?

もちろん日本が1位!と思いきや......
「データのない国もあるのですが、1人当たりの年間消費量データで見ると、1位は371個のメキシコ、2位は331個の日本。メダルでいえば日本は銀メダルです」と植村さん。つまり、日本人は卵をよく食べているようで1日1個も食べていないということに。長年誤解されていた「卵は1日1個まで」に縛られていたのかもしれません。

 

卵はなぜ「物価の優等生」なのか

「物価の優等生」とは、小売価格がほとんど変わらない商品をさします。その代表とされるのが卵! 卵の価格は、若干の変動はあるものの、60年前からほとんど変わっていません。

「これは、養鶏に関わる方のたゆまぬ努力と研鑽(けんさん)があってこそです。具体的にいうと"鶏種の改良・ケージ飼いによる生産性の向上"、"飼料原料・配合割合などの研究による飼料効率の向上"、"鶏卵場の機械化による大量生産の実現"、"流通面での合理化"などが挙げられます」と植村さん。

調理法も合わせる相手も選ばず、栄養&コストパフォーマンスが抜群によく、日持ちもする、物価の優等生「卵」。健康のためにも、もっともっと日々の食生活に積極的に取り入れていきたいですね。

 

次の記事「実はマヨネーズは高齢者の強い味方⁉ 知っておきたいマヨネーズのあれこれ(4)」はこちら。

 

取材・文/岸田直子


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植村和之さん(写真右)

キユーピー株式会社 高齢者食育推進部 学術教育チーム チームリーダー。入社以来、市販のマヨネーズの営業に携わり、グループの企画や戦略提案に貢献。その実績から、昨年の高齢者食育推進部立ち上げ時からリーダーとして活躍している。


西山 博さん

ーピー株式会社 研究開発本部 技術ソリューション研究所 評価・解析研究部 チームリーダー。マヨネーズをはじめ、ファインケミカルや野菜などキーピーが扱う商品全般の健康・栄養関係の学術分野を担当。

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