若々しさを維持するためには、血管が健康であることと、自律神経がしっかりと正常に働いていることが大切です。日本の血管研究をリードし続ける大阪大学微生物病研究所教授の髙倉伸幸先生に血管のお話をお伺いしました。
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毛細血管を修復させる食材で
血管の若さを取り戻そう
毛細血管を健康に保つには、衰えた血管を修復させる必要があるとお話ししました。ここでは、毛細血管を元気にしてくれる食材について、具体的に紹介しましょう。
●シナモン
漢方では「ケイヒ」と呼ばれるシナモンは、Tie2を活性化させ、毛細血管の老化を防ぐ効果が期待できます。また、老化した毛細血管を修復する役割もあります。料理や飲み物に加えて、簡単に摂れるのもメリッ ト。ただし、長期にわたって1日10 g以上摂取すると肝臓に負担をかけることがあるので気を付けましょう。
麻婆豆腐に
お好みの量のシナモンをふりかけて、よく混ぜてからいただきます。味に深みが出て、おいしさが増します。シナモンは、カレーやきんぴらなどとも好相性なので、いろいろな料理にプラスしてみましょう。
冷やし甘酒に
よく冷やした甘酒に小さじ1杯程度のシナモンをふりかけてよく混ぜます。甘酒の優しい味わいにスパイシーなシナモンが合います。 他に、しょうが紅茶やコーヒーなどにもおすすめです。
●ヒハツ
沖縄では昔からよく活用されているヒハツは、コショウの一種。 Tie2を活性化させることで、 血管を拡張し、血流の量を増や す効果があると考えられています。むくみや冷え症、肩こり、貧血、薄毛などの改善が期待できます。ビバーチ、ピパーチ、ピーヤシ、島コショウ、ロングペッパーなどの名称でも販売されています。
炊き込みご飯に
沖縄の石垣島では、炊き込みご飯にヒハツをかけて食べるそうです。 独特の香りがあるので、 初めは少量ふりかけてみましょう。
みそ汁やスープに
お好みの量をさっとふりかけて軽くかき混ぜていただきます。他に、野菜炒めや肉料理、魚のムニエルなどにも合います。
●ルイボスティー
ルイボスの葉と茎には、老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用があります。肌の老化を緩めたり、白髪や薄毛の改善など、若々しさを保つ効果が期待できます。また、腸の善玉菌を増やして腸内環境を整える作用もあり、便秘解消やダイエット効果もあります。ノンカフェインなので、飲む時間や量を気にせずに安心して摂れます。
温冷どちらでも
ルイボスティーは、温冷どちらでも効果に変化はほぼありません。一年を通して、好きな飲み方で摂りましょう。一度に大量に飲むよりも、ちょこちょこと飲み続けるのがおすすめです。
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取材・文/寳田真由美 イラスト/中川原 透