呼吸ポンプは血流改善のポイント。「ひじあげ呼吸」で深く大きな呼吸を

pixta_36531598_S.jpg70歳以上の人のおよそ75%もの人に生じる「ふくらはぎの不調」。中でも血管の老化現象の一つである下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は、見た目の症状だけでなく慢性的な機能低下につながることも。

ふくらはぎを元気に保つ方法について、北青山Dクリニック院長の阿保義久先生にお話を伺いました。

前の記事「ふくらはぎの「こぶ」が血栓形成を促す!? つらさを感じたら改善・治療を/下肢静脈瘤(3)」はこちら。

ふくらはぎなど足の健康を保つには、逆流防止弁などが壊れた静脈に対する負荷を軽くすることがポイントになります。
「血液を押し上げるには、下肢の筋肉ポンプと、呼吸ポンプを活発に働かせるのがコツです」

呼吸ポンプとは、文字通り「呼吸」のことです。肺とおなかの間にある横隔膜は、息を吸うと下がっておなかに圧力をかけるので、おなかの静脈の血液は心臓へと流れます。息を吐くと、横隔膜が上がって肺が少し縮むことで、心臓の血液が肺に流れる仕組みになっているのです。これを呼吸ポンプと呼びます。

「深呼吸で横隔膜を上下させながら呼吸ポンプを働かせ、ふくらはぎや太ももの筋肉を使う運動を行うことで、足の血液を戻す駆動力を高めてください」

深く大きな呼吸をするために、阿保先生が考案したのが「ひじ上げ呼吸」です。ひじを上げる動作で自然に胸を張った姿勢になり、胸部の骨格を広げる感覚をつかみやすくなるそうです。また、「その場スキップ」は、筋肉ポンプを鍛えるために役立ちます。「ひじ上げ呼吸」と合わせて朝と晩に行うと、慢性静脈機能不全症の改善効果も期待できます。

 

◎ひじ上げ呼吸
息を吸いながら両ひじを肩と水平の高さまで上げて、力強く「フー」と息を吐きながら、両腕を勢いよく下ろします。これを朝晩各10回繰り返しましょう。1808p066_01.jpg

朝と晩に各10回行います。

 

◎その場スキップ
両手を前後に大きく振りながら、軽く飛び跳ね足を交互に上げます。ひざが足の付け根と平行になるくらいまで高く。1セット30秒を3セット朝と晩に行います。

1808p066_02.jpg朝と晩に各3セット(1セット30秒×3)行います。

 

次の記事「マッサージ」と「弾性ストッキング」で下肢から心臓へ効果的に血液を戻そう/下肢静脈瘤(5)」はこちら。

取材・文/安達純子


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阿保義久(あぼ・よしひさ)先生

北青山Dクリニック院長。東京大学医学部卒。東京大学医学部腫瘍外科・血管外科などを経て2000年から現職。下肢静脈瘤の日帰り手術のパイオニア。

この記事は『毎日が発見』2018年8月号に掲載の情報です。

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