足先や足裏がしびれるようになりました。糖尿病の薬のせい?/高谷典秀先生「なんでも健康相談」

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血糖値が高く足先が痺れる

67歳の男性です。実は私は昔から糖尿の気があり、勤めていた会社での健康診断でも、たびたび再検査をすすめられていました。ですが、とくに体に変わったことはなく、再検査をするのも、治療をするのも、忙しくて放っていました。

会社を辞めて時間ができたので、あらためて健康診断を受けたところ、やはり血糖が高くて薬による治療をはじめました。

ところが、最近、足先や足の裏がよく痺れるようになりました。薬による治療を始めてから1年くらいになるのですが、これは薬の副作用なのでしょうか。

  

糖尿病性神経障害か足の血管が動脈硬化
血糖値をコントロール

今回は糖尿病の治療をしている方が、足にしびれを感じるというご質問です。

以前より血糖が高かったと指摘されていたという事ですので、比較的長い期間、高血糖の状態が続いていたのだと思います。薬の副作用を心配されているようですが、実は、糖尿病が進行した際に、足のしびれなどの神経障害が起きてくることが知られています。

糖尿病は、血液中の糖の濃度が高くなる病気ですが、その状態が長年続きますと、それによってさまざまな組織への障害が起きてしまいます。

よく知られているのが血管に対する障害です。動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞になりやすくなります。さらに糖尿病は、長年かけて神経障害を起こすことも知られており、これを糖尿病性神経障害と呼びます。

糖尿病で神経がやられる場合、まず足先の感覚が低下したり痺れたりすることが多く、場合によっては筋力が低下したりもします。さらに自律神経も障害を受け、身体の様々な調整機能が悪くなります。

たとえば起立性低血圧や、消化管の運動機能の調整も悪くなることで、下痢や便秘などの症状も出たりします。このような神経障害は、ゆっくりと進行するので、糖尿病と診断された後、血糖のコントロールが悪いと、その分発生しやすくなります。

あなたの場合は、健診で以前から指摘を受けていたのに、その間治療をしていなかったことで、このような症状が出て来たと考えられます。

糖尿病の方は、足に出る症状にはとくに注意しなければなりません。足の血管が動脈硬化を起こして血流が悪くなると、最悪の場合は足の壊死にも繋がります。たとえば、足の神経の感覚が弱まった状態で、冬に湯たんぽを足元に置いたりしますと、その熱さに気づかず、低温やけどを起こしたりするケースがあります。すると感染症を引き起こしたり、壊死を起こして足を切断しなければならなくなるのです。

治療を続けていただき、血糖を良い状態でコントロールをしたとしても、一度進んでしまった神経障害は、残念ながら改善することはありません。しかし、だからといって放置してしまうと、より症状が悪化し、大変つらい状況になりますので、しっかりと血糖値をコントロールして、これ以上悪化をさせにくくすることを考えてください。

また、薬による治療に加えて気を付けなければならないのは、足の清潔を保ったり、なるべく傷をつけないようにすることです。傷をきっかけに感染症を起こす可能性がありますので、フットケアというものが非常に重要なのです。

今回のようなケースの場合、足のしびれの原因は糖尿病によるものというのが最も可能性が高いものですが、念のため、それ以外の原因も考えるべきです。たとえば、変形性腰椎症や、腰にヘルニアがある場合などで神経が圧迫され、足先に障害が起きていることもあり得るので、一度は整形外科などで見ていただくことも必要でしょう。(老友新聞社)

 

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高谷 典秀 先生(たかや・のりひで)

医療法人社団同友会 理事長。順天堂大学循環器内科非常勤講師。日本人間ドック健診協会 理事。学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授。

著書に『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』(株式会社法研)など。

この記事は『日本老友新聞』に掲載の情報です。
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