どんなジャンルの料理にも使いやすい"玉ねぎ"ですが、実は調理法によって、健康成分が変わり、これにより、健康効果も少しずつ異なることを前回お話しました。そんな玉ねぎを使って、『毎日が発見』2018年7月号では応用編として、玉ねぎをはじめとして健康食材がたっぷり詰まった「唐ご酢玉ねぎ」の作り方と、これを使ったアレンジレシピを紹介しています。
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この「唐ご酢玉ねぎ」は、玉ねぎの健康効果以外にも、特に女性が気になる美肌やダイエット効果もあるとか。そこで、今回はこの「唐ご酢玉ねぎ」と、これを使ったアレンジレシピを実際に作ってみました。
前の記事「身近すぎる、だけど意外と知らない「玉ねぎの健康パワー!生でも加熱してもおいしいレシピを【作ってみた】」はこちら。
そもそも玉ねぎってどう体にいいの?
玉ねぎは昔から食べられてきた野菜ですが、ここ最近特に注目されているのが、「血液サラサラ効果」。これにより、血液中に血栓ができるのを防いで、生活習慣予防にも繋がるとして、玉ねぎを積極的に食べる人が増えだしました。またこれ以外にも、血糖値を下げる、高血圧の予防・改善、コレステロール値の改善、さらには、善玉菌を増やして腸内環境を整える効果まであると言われています。
そんな玉ねぎですが、実は調理法によって、玉ねぎが持つ健康成分が変わるんです。切って空気に触れさせたものを生のまま食べると、血液サラサラ効果が倍増します。一方、加熱したものを食べると、血液サラサラ効果をもたらす成分を、そのまま体内に取り入れることができたり、甘み成分が増えて食べやすくなる効果があります。
こんな玉ねぎは、もちろん玉ねぎだけで食べてもおいしいのですが、他の健康食材と一緒に調理することで、特に女性が喜ぶような健康効果を得ることができるんだとか。そこで、次からは、管理栄養士・村上祥子さん考案「唐ご酢玉ねぎ」の作り方と、アレンジレシピをご紹介します。
ダイエット効果もある「唐ご酢玉ねぎ」の作り方
<材料>(できあがり150g)
玉ねぎ...100g
黒すりごま...20g
赤とうがらし...1本
A 米酢...30ml
砂糖...12g
塩...小さじ1/4
<作り方>
1.玉ねぎを薄切りにする。
2.ボウルに1、黒ごま、とうがらしを入れ、よく混ぜる。
3.小鍋にAを入れて火にかけ、沸騰したら火を止める。これを2に回し入れる。
4.皿などの重しをのせ、30分おけば完成。
出来上がりはこんな感じ!
玉ねぎ、黒ごま、赤とうがらしを使った「唐ご酢玉ねぎ」が出来上がりました!見た目が真っ黒で、なかなかインパクトがあるビジュアルですよね。もともと、黒ごまととうがらしを酢に漬ける「唐ご酢」というものが、モンゴルで昔から健康保存食として、重宝されていたそうです。これに、玉ねぎもプラスしたのが「唐ご酢玉ねぎ」。玉ねぎや酢は生活習慣病を予防し、ごまには抗酸化力や美肌効果、とうがらしにはダイエット効果があるとされていているので、これらを一度に摂れる「唐ご酢玉ねぎ」は、まさにスーパー保存食。
食べてみると、口の中に入れた瞬間、ごまの香りと酸味が口いっぱいに広がるんですが、最後の最後にピリッとした辛さがやってきて、味全体を引き締めてくれます。また、玉ねぎのシャキシャキした食感がおいしく、気が付けば、これだけでもパクパク食べれてしまうほど、クセになる味でした。ちなみに、常温では1ヵ月、冷蔵で2か月保存可能です。
今度はこの「唐ご酢玉ねぎ」を使って、村上さん考案のアレンジレシピ2品を作ってみましょう。
アレンジ1「キャベツのカレー蒸し」
<材料>(2人分)
キャベツ...150g
しょうゆ...小さじ1
カレー粉...小さじ1/4
唐ご酢玉ねぎ...50g
<作り方>
耐熱ボウルに一口大にちぎったキャベツ、しょうゆ、カレー粉、唐ご酢玉ねぎを入れる。両端を少しあけてラップをし、600Wの電子レンジで4分加熱したら、すぐに取り出して混ぜれば完成。
さてお味は?
「唐ご酢玉ねぎ」を使ったアレンジ1品目は、レンチンで簡単にできる和えものレシピです。蒸してくたっとしたキャベツに、唐ご酢玉ねぎやカレー粉が合わさって、さっぱりしているけれど、あとをひく辛さもあってと、暑い夏にぴったりな一皿になりました。
アレンジ2「ピリ辛ごまそぼろ」
<材料>(2人分)
豚ひき肉...100g
ごま油...小さじ1
唐ご酢玉ねぎ...50g
しょうゆ...小さじ1
<作り方>
フライパンにごま油と豚ひき肉を入れ、炒めて火を通す。ここに、唐ご酢玉ねぎとしょうゆを加え、水分がなくなるまで炒めれば完成。
さてお味は?
アレンジ2品目は、豚肉と一緒に炒めたそぼろレシピです。出来上がりを見ると、真っ黒で、一瞬驚いてしまうかもしれませんが、食べてみると甘辛い味付けがおいしく、箸が止まらないほどでした。このまま食べてもおいしいですが、ご飯や麺、冷奴などにのせて食べるのもおすすめ。冷蔵で1週間保存可能なので、たくさん作って、作りおきしておくと便利です。
身近な食材だからこそ、いろいろなアレンジでおいしく食べたい
玉ねぎは、身近な食材だからこそ、いつもの感覚で料理に使いがちですが、改めて調理法による成分の変化などを知ると、「あぁ、今まで効果を半減させるような使い方をしていたなぁ」なんていう気づきがあると思います。せっかく食べるなら、より健康になる食べ方で摂りたいですよね。これからは、ぜひ玉ねぎの健康効果を最大限に活かした方法で、料理に使ってみてください。
写真・文/JUNKO