実は抵糖質で栄養満点!「ひまわりの種」のススメ

夏を代表する花といえば、ひまわり。その種が栄養素をたっぷり含む健康食品として注目を集めています。慶應義塾大学医学部化学教室 教授で医学博士の井上浩義先生に、その効能やおすすめの食べ方をお聞きしました。

P007_1.jpg小さな一粒に大地の力が凝縮!スポーツ選手も好んでいます

最近ではアメリカ・大リーグの野球選手たちがベンチで食べている姿も話題になっている、ひまわりの種。井上先生によると、「日本ではかぼちゃの種の方が知られていますが、世界ではひまわりの種の方が古くから食べられています。アメリカでは大学のキャンパスで学生が食べる姿もよく見かけます」

ひまわりの原産地は北アメリカといわれ、紀元前から先住民が種を食べていたとも。日本への伝来は江戸時代。現在は北海道や東北で多く栽培され、背丈ほどの高さの大きなひまわりから食用の種を採取しています。

一粒に多くの栄養素を含んでいますが、特に着目したいのがオレイン酸です。「種に最も多く含まれるのが約56%を占める油。そのうちの3分の1がオメガ9脂肪酸のオレイン酸で、血管中の悪玉コレステロールを減らす働きがあります」(井上先生)。ほかに、カリウムやセレンなど、生活習慣病の予防や免疫力の向上、老化の防止などを助けるミネラルも豊富。また、炭水化物が比較的少ない低糖質食品でもあります。「一粒にバランス良く栄養素を含んでいるのは、子孫を残すための種だから。発芽に必要な成分が凝縮されているのです」(井上先生)

食べるのは、白と黒のしま模様の殻をむいた中身の部分。いったものが百貨店などで販売されています。有塩と無塩がありますが、井上先生がすすめるのは無塩のもの。種の成長時に土壌からナトリウム(塩分)を吸収するため、塩味は必要ないのだとか。そのまま食べるほか、サラダやスープなどに加えれば、バランスの良い一品になります。

生活習慣病や高血圧の予防となる栄養素が凝縮

●悪玉コレステロールを減らす「オレイン酸」
血管中の善玉(HDL)コレステロールを減らさずに、血管の壁にこびりつき血管を詰まらせて動脈硬化の要因となる悪玉(LDL)コレステロールを減らす働きが。

●高血圧やむくみの予防に役立つ「ミネラル」
体内に最も多く存在するミネラルの仲間。ナトリウムと共に細胞を正常に保ち、血圧を調整します。体内の余分な水分を排出する効果があるので、むくみの解消も促進。

●抗酸化作用を促す「セレン」
ナッツ・種子類でも屈指の含有率。抗酸化作用を助け、がんや老化の予防に効果があるとされるほか、糖尿病、すい臓の疾患の改善にも。目に良いという論文もあります。

●老化防止や美肌に「ビタミンE」
油分が多いひまわりの種は、脂溶性ビタミンのビタミンEが豊富。活性酸素を減らして細胞を守る働きがあり、特に夏の日焼けや疲労などの対策に役立つ栄養素です。

●免疫力を高めてくれる「葉酸」
ナッツ・種子類でも特に多く含まれます。水溶性ビタミンの一つで、ビタミンB群の仲間。細胞の新陳代謝に不可欠で、私たち世代は積極的に摂取したい栄養素です。

●血圧を安定させる「マグネシウム」
血管を広げて血圧を下げたり、血小板が固まるのを抑えて血栓を作りにくくしたりするほか、筋肉の動きを良くする作用も。40代を過ぎると不足しがちなので注意。

●味覚障害の改善に欠かせない「亜鉛」
かぼちゃの種やアーモンド、松の実などに並んで含有量が豊富。味を感じる舌の味蕾(みらい)細胞を作り出すのに必須で、不足すると味を感じにくくなったりします。

おすすめの食べ方

<スープに入れる>
いつものスープの具に。サクサクとした食感が楽しく、コンソメにもクリームスープにも合います。

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<サラダにトッピング>
サラダにパラパラとトッピング。ナッツのような香ばしい風味と食感が、いいアクセントになります。P007_4.jpg

<パンやマフィンに>
クルミやアーモンドと同様に使えます。ホームベーカリーの場合、早めに入れると均一に混ざります。P007_3.jpg


取材・文/岡田知子(BLOOM) 写真/PIXTA

 

<教えてくれた人>

井上浩義(いのうえ・ひろよし)先生

慶應義塾大学医学部化学教室 教授。医学博士、理学博士。九州大学大学院理学研究科博士課程修了。ナッツ類など油の研究の第一人者で、エゴマ油ブームの火付け役。近著に『ハーバード大の研究でわかった ピーナッツで長生き!』(文藝春秋)。

この記事は『毎日が発見』2019年8月号に掲載の情報です。

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