シミ、シワ、たるみ...。こうした肌のトラブルを体の内部から防ぐ「血管力」。今回はこの血管力を上げる3つの生活習慣について、東京都健康長寿医療センター副院長の原田和昌先生から教えてもらいました。
1. 血管力を上げる生活習慣<食事>
総カロリーと炭水化物を意識しつつ、 バランス良い食事を心掛けることが必要。ぜひ以下のポイントを参考にしてみてください。
●「DASH 食」で血圧を下げる
米国の国立心肺血液研究所が高血圧予防として考案したのがDASH(Dietary Approaches to Stop Hypertensionの略)食です。日本高血圧学会の治療ガイドラインでも推奨されています。塩分の摂取量を抑え、体内のナトリウムを排出しやすい成分を含む食材を摂ることで、高血圧の改善に寄与します。バランスの良い食事内容なので、美容にも役立つといえます。
[具体的な食材]
いも類、かぼちゃ、オクラ、大豆製品、海藻類、牛乳、納豆、 ナッツ類、赤身の肉、いか、たこ など
●コレステロール値を下げる
悪玉コレステロールは、揚げ物などの油っこい食事に加え、中性脂肪が増えると増加します。中性脂肪は、おなかなどにたまる余分な脂肪です。脂身の多い肉類などは控え、ご飯などの炭水化物の量を減らし、次のような食材を摂ることが大大切です。
[具体的な食材]
玄米、納豆、ブロッコリー、ごぼう、きのこ類、大豆製品、海藻類など
●血糖値上昇の指標「G I値」にも注目
白米などを食べると血糖値が上昇します。体内で余分なブドウ糖は中性脂肪に変わり、糖尿病につながることもあります。血糖値上昇の指標であるGI(Glycemic Indexの略)値の低 い食材を選ぶことが大切。 意識して摂るようにしましょう。
[具体的な食材]
玄米、葉物の野菜、きのこ類、 大根、かぶ、ナッツ類、牛乳、 りんご など
◆手軽にオリーブオイルを活用!
エクストラ・バージ ン・オリーブオイルは、 全粒粉のパンにつけて 食べるとお手軽に摂る ことができます。ドレ ッシングに混ぜてOK。日頃使っている油 に置き換えて活用を。
2. 血管力を上げる生活習慣<運動>
「じっとしている時間」を少なく、こまめに体を動かすクセをつけてください。
血管のしなやかさを保つには、運動習慣が欠かせません。日常生活の中でこまめに体を動かすようにしましょう。長時間テレビを見続けるようなことはNGです。家事や買い物などで体を動かすことも立派な運動になります。
3. 血管力を上げる生活習慣<睡眠>
多くもなく少なくもなく、6~7時間くらいを目安にしてください。
就寝時間が不規則だったり、日によって睡眠時間が大きく異なると、就寝中に血圧が上がる夜間高血圧につながるなど、体に良くありません。6~7時間の睡眠時間を目安に規則正しい生活を意識しましょう。
取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史