「食前・食間・食後」の違い、説明できますか? おさらいしておきたい薬の正しい飲み方

知っておきたい薬の処方に関する注意点

処方箋の有効期限は「発行日を含めて4日間」です。この4日には日曜祭日を含み、有効期限を過ぎると、医療機関での延長や再発行が必要になります。また、再発行は健康保険が使えず全額自己負担となる場合もあります。忘れてしまう原因にもなるので、必ず受診後すぐ受け取るように心がけましょう。

内服薬は一般的に、コップ1杯程度(約200cc)の水、またはぬるま湯で飲みます。コーラやジュース、牛乳などで薬を飲むと、吸収が遅くなったり悪くなったりします。また、水なしで飲むと、食道に引っかかったりくっついたりして、その場で溶けて薬の効果を発揮することができなかったり、食道潰瘍などを起こす恐れがあります。

最近わりとよく耳にするのが、医師から処方された薬を自分で使わず、あげたり、もらったりしたという話です。

しかし、これは、「薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の略)」違反となる可能性があります。

もし仮にもらった薬で重篤(じゅうとく)な副作用が起きても、やはり医薬品副作用被害救済制度は使えません。

これに関しては特に湿布などで緩く考えている人が非常に多く、「病院で処方された湿布を他人から譲り受けることが違法である」と認識している人は、なんと全体の23.2%しかいなかったとの報告があるほどです。

薬は正しい方法で入手し、適切なタイミングで飲む。この原則を守ることが安全に治療を成功させる第一歩となります。

 

おると
整形外科専門医。診療にあたりながら、自身の転職経験をもとにしたブログ「フリドク」やX(旧Twitter)を2018年より開始。正しい医療をわかりやすく発信するスタイルや世間のネットニュースについての専門医目線での解説、ニセ医療解説などが大きな反響を呼び、現在12万人を超えるフォロワーを有する(2024年2月時点)

※本記事はおると著の書籍『整形外科医が教える 家族の身体を守る医学的ライフハック』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
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