子どもの頃から多くの人が親しんでいる「ラジオ体操」。でも、あなたが知っているその動き、実は「本気!」ではないかもしれません。そこでぜひお伝えしたいのが、大手航空会社JALで実施されている「本気!のラジオ体操」。同社では、健康管理部のトレーナー指導の下「運動効果抜群のラジオ体操第一」を社員の健康管理に活用し話題となっています。今回は『JAL健康管理部 本気の!ラジオ体操講座』(KADOKAWA)より、そのエッセンスを連載形式でご紹介します。
「ラジオ体操本気でやれば筋肉痛」その運動効果とは?
メッツ(METs )と呼ばれる、運動の強度を表す単位があります。「安静時を1としたときと比べて何倍のエネルギーを消費するか」でその運動量を示したものです。
国立健康・栄養研究所のホームページに掲載されている「運動のメッツ表」によると、ラジオ体操第一の運動強度は4・0メッツ。卓球やパワーヨガと同じ数値です。ゴルフやカヌーが3・5メッツ、ボウリング、バレーボールが3・0メッツですから、本気の!ラジオ体操で「筋肉痛になった」という声が多くあがるのも不思議なことではありません。
ちなみに、「ラジオ体操第一」1回あたりの消費カロリーは、体重50 キログラムの人で約10・5キロカロリー、体重70キログラムの人では14・7キロカロリーほどになります。
本気の!ラジオ体操を行えば、筋肉痛になる人もいます。それは、日常生活であまり使わない筋肉を伸ばしたり、動かしたりするからです。例えば、ももの裏側からひざ裏にかけての「ハムストリングス」と呼ばれる筋肉群や脇の筋肉、肩甲骨まわりの筋肉などです。
こうした部分が筋肉痛になったら、あなたも本気!のラジオ体操で正しく体が使えている証拠です。これらの筋肉が鍛えられ、柔軟になると、腰痛や脚のむくみが改善したり、肩こりが楽になったりと、体にうれしい変化が現れます。
本気の!ラジオ体操を続けていれば筋肉痛はなくなっていきますから、安心して挑戦してみてください。
個々の筋肉に働きかけるエクササイズ!ラジオ体操はここに効く!!
【健康増進】
ラジオ体操によって全身の筋力や心肺機能がアップすると、体が温まり、疲れにくくなります。また、全身の血行が促進され、体のすみずみまで酸素が行きわたることで代謝がよくなり、リフレッシュ効果や美肌効果なども得られます。
【柔軟性アップ】
ラジオ体操の動きは、全身のストレッチと言っても過言ではありません。ラジオ体操を続けることで、体のさまざまな部分の柔軟性がアップします。柔軟性が上がると、ケガや故障をしにくくなり、ロコモティブシンドローム(骨や関節、筋肉などの障害で、立ったり歩いたりという運動機能が低下すること)の予防にも役立ちます。
【腰痛改善】
ラジオ体操には、腰まわりの筋肉をほぐす運動、背中や脚の裏側をストレッチして腰への負担を減らす運動、腹筋を鍛える運動などがあり、続けることで腰痛予防が期待できます。また、筋肉を意識した正しい姿勢をとるだけでも腰へのストレスが減り、腰痛改善につながります。
【肩こり改善】
肩甲骨まわりの筋肉を動かす運動が、ラジオ体操にはいくつも組み込まれています。腕を回す運動や、体を横に曲げる運動がそれです。これらの運動は肩こり解消にも役立ちます。また、体の前で腕をクロスする動きも、肩こりの改善に効果大。
体操前のストレッチや正しい姿勢、さらに「本気の!ラジオ体操」の13の運動と効能が大きな写真で詳しく解説されています