時には売れ切れるほど大人気のさば缶。ギュッと栄養が詰まっていること、手軽に時短調理ができること、骨や皮なども丸ごと食べられることなどが魅力です。料理研究家で管理栄養士の村上祥子さんに、その栄養素や夏バテ予防の簡単レシピを教えてもらいました。
暑い夏。食欲が減退したり、暑さで料理がついついさっぱりしたものばかり食べたりしていませんか? こうなると、栄養が不足気味になり、さらに夏バテや疲れを招きます。そんな時こそ、さば缶の出番です!
さば缶にはDHAやEPAという、不足しがちなn-3系といわれる脂肪酸が豊富に含まれています。脳や神経、血管を健康に保つためにとても大切な成分で、さばの皮の下に多いので丸ごと食べるさば缶はおすすめな食材です。またロイシンは筋肉量を左右する必須アミノ酸で、やはりさば缶にはとても豊富。さば缶を上手に使うと簡単に栄養不足を補うことができます。
脳や血管を元気にする さば缶の5つの栄養素
1.DHA
脳や神経の情報伝達をスムーズにし、アルツハイマー型認知症の改善に期待がかかります。
※身近な魚のDHAの含有量(可食部100g当たり)
食品名 DHA(㎎)
ぶり 1700
さんま 1600
さば(水煮缶) 1300
さわら 1100
さば 970
かつお(秋獲り) 970
いわし 870
たい(養殖) 780
資料:「日本食品標準成分表2015 年版(七訂)脂肪酸成分表編」(文部科学省)
2.EPA
血管病(狭心症や心筋梗塞等)の予防治療薬として最適との臨床結果が発表され注目されています。
3.ロイシン
筋肉の合成を促す必須アミノ酸。ロイシン含有量が高い食事は筋肉量を増やしてくれます。
4.ビタミンD
骨の形成を促進するビタミン。骨粗鬆症の予防のためには欠かせません。
5.ビタミンB12
他のビタミン類に比べて必要量はわずかながら、血液を作るのに欠かせません。
取材・文/石井美佐 撮影/中野正景