「地中海式の食事で血糖値の上昇を緩やかに」女性視点で診る専門医が実践する「糖尿病予防」生活習慣

進行すると、さまざまな合併症を引き起こす糖尿病。そこで、糖尿病の発症や進行を防ぐ健康術を、10人の名医が指南。食事、運動など、すぐにマネできるものばかりです! 今回は政策研究大学院大学 保健管理センター 所長・教授の片井みゆき(かたい・みゆき)先生が実践する「生活習慣」について伺いました。

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女性の視点で診る糖尿病専門医
片井みゆき先生

「地中海式の食事で血糖値の上昇を緩やかに」

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【食事】
自家栽培のハーブや野菜も取り入れて

新鮮な野菜、オリーブオイル、魚、鶏肉、大豆製品、少量のナッツを中心に摂っています。

このような地中海式の食べ方は、急激な血糖値上昇を抑え、脂質異常やがん予防などにも効果的と考えます。

食べる順番は野菜→たんぱく質→糖質。

まずはベジファーストでサラダを大きなお皿いっぱいに食べます。

味付けはレモンを搾り、塩は控えめ、オリーブオイル程度で、素材の味を大切にしています。

なるべく手作りのもの、有機栽培のものを摂るようにし、少しですが、自分でもハーブやトマトなどを栽培。

起床後、白湯にこのハーブを浮かべて飲むのが習慣です。

果物は、最近は糖度が高いものが多いので、摂り過ぎないように。

お菓子はできるだけ控え、食べたいときは食事の際に取り入れて、その分、主食を減らしています。

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【運動】
通勤や仕事の時間を有効に使って運動

週3回以上、30分程度の早足のウォーキングをしています。

時間がないので、通勤時などに取り入れるようにしています。

その時間もないときは、帰宅後、デスクワークの傍ら脚を伸展する筋トレをしたり、夜のニュースを聞きながらエアロバイクをこいでいます。

【予防のポイント】
食事と運動の改善で薬以上の効果も

日々の診療で感じることは、特に2型糖尿病の発症や血糖コントロールには、食事、運動、睡眠などの生活習慣がいかに影響しているかということ。

特に食事と運動の改善は、薬と同等、あるいはそれ以上の影響を及ぼす場合もあることを実感しています。

一般的に血糖値は、食事内容(野菜を多め、たんぱく質も適度に、炭水化物・脂質は控えめ)、食べる順番、運動の導入で改善もしますが、逆の場合だと悪化もします。

管理栄養士が創設したアプリ「あすけん(※)」を活用しても。

カロリーや栄養素を自動計算してくれ、アドバイスも届きます(一部有料)。

私の患者さんでも利用者は非常に効果を上げていて、無理ない減量と血糖値の改善がなされています。

※iPhone 、Androidのどちらのスマートフォンでも使えます。

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取材・文/岡田知子(BLOOM) イラスト/鈴木衣津子
 

<教えてくれた人>

政策研究大学院大学 保健管理センター 所長・教授
片井みゆき(かたい・みゆき)先生
糖尿病専門医、内分泌代謝内科専門医。信州大学医学部・大学院修了後、信大附属病院内分泌内科。米国ハーバード大学医学部研究員、東京女子医大准教授を経て2020年より現職。女性に寄り添う医療に定評。

この記事は『毎日が発見』2021年10月号に掲載の情報です。

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