「海馬」を活性化して不安やうつとさよなら!?/脳の健康レッスン(1)

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不安やストレスを減らして、心を平穏に保つ瞑想「マインドフルネス」が注目されています。世界的なIT企業の社員研修にも取り入れられ、仕事の効率が上がるという報告もあります。「最新の研究では、マインドフルネス(瞑想)は脳に良い影響を及ぼすことがわかってきました」と長谷川洋介先生は話します。

 

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上図のような、脳の前頭前皮質、後帯状回皮質、海馬などの部位が、瞑想によって活発に働くことが明らかになりました。特にストレスの影響をうけやすい「海馬」には効果が大きいのです。瞑想をすることで、不安やうつ状態の改善に役立つことが証明されていて、認知症にも有効だという研究もあります。

 

ストレスを受けた海馬が復活

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出典:『Psychiatry Research Neuroimaging 191(2011年)』

海馬はストレスを受け続けると縮小し、機能が低下することが分かっています。ハーバード大学の論文では、毎日20分間の瞑想を8週間行うと、瞑想しなかった人と比較して、海馬の成分濃度が約5%増量したと報告されています。 

 

始めは3分から。慣れたら時間を増やすこと

「瞑想は、最初は1日3分からを始めてみましょう。毎日の生活に組み込んで次第に時間を増やし、1日合計で30~40分ほど行うのが理想です」。以下のようなコツをふまえて行います。途中が雑念が沸いてきても、それにとらわれず瞑想に戻ることが重要です。「脳は筋肉と同じで、瞑想を続ければ鍛えられ、やめると元に戻ってしまいます。脳と心の健康のためには、継続して行うことが大事です」と長谷川先生。


瞑想(マインドフルネス)を行うときのコツ

1 考え事を手放す時間をつくる
人はいつも未来のことを考え気持ちがふわふわする。それを「いまこの瞬間」に引き戻し、考え事を手放し「いま」にとどまる。

2 判断を加えずありのままを受け入れる
すぐに価値判断しないで、嫌いなものも拒絶せずにそのまま受け入れる。新しい情報が入ってきて、思いがけない発見につながる。

3 客観的に物事をみる
冷静なもう一人の自分を作り、いま、自分がどんな状態なのかを意識的によく観察する。体の隅々にまで注意を向けるようにする。

 

次の記事「脳がスッキリ! 1日10分~「坐る瞑想」で自分と向き合おう/脳の健康レッスン(2)」はこちら。

取材・文/松澤ゆかり 撮影(先生写真)/齋藤ジン イラスト/やまだやすこ

  

<教えてくれた人>
長谷川 洋介(はせがわ・ようすけ)先生
東京マインドフルネスセンター長・ディレクター。法政大学経済学部卒業。日本マインドフルネス学会会員、鍼灸師。著書に「知識ゼロからのマインドフルネス心のトレーニング」(幻冬舎)などがある。
この記事は『毎日が発見』2017年11月号に掲載の情報です。
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