朝食は豪華、夕食は素食。これが免疫力や抗酸化力を高め、体内健康を整える常識/60代からの最高の体調

加齢よる心身の老いは病気、ケガなどの悪影響をもたらします。健康寿命を伸ばすポイントは、ホルモンやミネラルの補充、朝食重視の生活習慣、夜間の頻尿改善。そう語る医師・平澤精一さんの著書『60代からの最高の体調 ミネラル・ホルモンで「老いない体」を手に入れる』(アスコム)から若々しく健康に生きる秘けつをご紹介します。

【前回】人と交流し、社会活動することがホルモンに影響。結果、健康寿命を伸ばすことに/60代からの最高の体調

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朝食重視の食生活に変え、健康と長寿を手に入れる

免疫力や抗酸化力を高め、体内を健康に整えるための新常識!

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60代からの食事は、まず低栄養に気をつける

高齢者の多くは、夕食にもっとも重きを置いている

いつでも最高の体調でいるための、60代からの健康の新常識の四つ目は、「朝食重視の食生活に変え、健康と長寿を手に入れる」というものです。

最初に、みなさんにおうかがいします。

あなたは、朝食、昼食、夕食、どの食事を一番しっかり食べていますか?

おそらく、多くの方が「夕食を一番しっかり食べる」と答えるのではないかと思います。

2014年に行われた「生活者アンケート調査」(三菱総合研究所)の結果を見ると、特に65歳以上の高齢者の8割強が、「夕食では、毎日『主食』『主菜』『副菜』をそろえて食べる」と回答しており(朝食や昼食は4~6割程度)、3食のうちで、夕食をもっとも充実させている人が多いことがわかります。

また、厚生労働省が発表した「令和元年国民健康・栄養調査」によると、朝食、昼食、夕食それぞれの年齢階級別の摂取エネルギー量の平均値および欠食率(きちんと食べない人の割合)は下の表の通りであり、夕食を食べない人はほとんどおらず、夕食の摂取エネルギー量がもっとも多いことがわかります。

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一方で、60~69歳の約1割と、70歳以上の0・5割の人が、朝食や昼食を食べていません。

しかし、「夕食をしっかりとる」「朝食を食べない」といった食生活は、あまりおすすめできません。

60代からの健康を考えると、私は「朝食を豪華にし、夕食を質素にする」ことこそが理想的だと考えています。

年齢を重ねるほど陥りがちな「低栄養」

60代からの食事で、何よりもまず考えなければならないのが、低栄養に陥るのを防ぐことです。

低栄養とは、筋肉、内臓、皮膚などを作るタンパク質などの栄養や、体を動かすために必要なエネルギーが不足している状態のことです。

厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査」によると、性別・年齢階級別の「65歳以上の低栄養傾向の者(BMI≦20kg/㎡)の割合」は下の図の通りです。

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ちなみに、BMIは「体重(kg)÷身長(m)× 身長(m)」で算出されるもので、「体格指数」と呼ばれており、BMIが20以下の場合、低栄養の危険性が高まるといわれています。

さて、図を見ると、基本的には年齢が上がれば上がるほど、低栄養傾向の人の割合が高くなっていることがわかります。

その原因としては、活動量や食欲が低下し食事の絶対量が少なくなること、咀嚼機能や消化機能が低下し、栄養素を効率よく吸収できなくなることなどが考えられます。

高齢者はどうしてもお茶漬けや麺類など、さっぱりした口当たりのいいものばかり食べてしまいがちですし、入れ歯の方などは、硬いものを避け、軟らかいもの、あまり噛まずにするすると飲み込めてしまうものを選んでしまう傾向があります。

しかしそれでは、十分に栄養を摂ることができません。

高齢者に不足しがちなタンパク質、食物繊維、ミネラル、ビタミン

なお、高齢者に不足しがちな栄養素として、よく挙げられるのが、

  • タンパク質
  • 食物繊維
  • カルシウム、マグネシウムなどの各種ミネラル
  • 各種ビタミン

です。

このうち、タンパク質は皮膚や毛髪、筋肉や内臓、免疫細胞、酵素、ホルモンなど、あらゆる細胞や物質の材料になりますが、タンパク質を豊富に含む肉や魚などは、「硬いから」「食べにくいから」「胃にもたれるから」といった理由で敬遠されがちです。

しかし、タンパク質という材料が不足すれば、免疫細胞や抗酸化酵素、ホルモンなどが正しく機能しなくなり、体の不調や病気が起こりやすくなります。

タンパク質が不足し、新陳代謝が滞って、肌や髪の状態、内臓の働きなどが悪くなれば、「人と会いたくない」「体の状態が良くないから、動きたくない」と思うようになります。

あるいは、筋肉が落ちると、徐々に体を動かしたり外出したりするのがおっくうになります。

筋肉は使わなければ衰える一方ですから、家の中に引きこもることが増え、運動量が減れば、ますます筋肉が落ちるという悪循環が生まれます。

それがフレイルを招いてしまうおそれも十分にあるのです。

次に、食物繊維は、人間の消化酵素で分解されずに大腸まで達する食品成分のことで、排便をスムーズにし腸内環境を整えるほか、血糖値の上昇を緩やかにする、血液中のコレステロールの濃度を低下させるといった働きがあり、健康の維持には欠かせません。

食物繊維は、穀類、野菜、果物、海藻、キノコ、豆類などの植物性食品に多く含まれますが、しっかり噛まないと食べにくいものが多いため、やはり咀嚼機能が低下している高齢者には敬遠されがちです。

カルシウムやマグネシウム、ビタミンDについては、新常識(3)でお伝えした通りですが、いずれにせよ、これらの栄養が不足すると、

  • 筋肉量や筋力、体力が低下し、疲れやすくなる
  • 骨密度が低下する
  • 肌や髪の状態が悪くなる
  • けがや傷が治りにくくなる
  • 風邪などの感染症にかかりやすく、治りにくくなる
  • 意欲や認知能力が低下する

といったことが起こりやすく、フレイル状態になるリスクも高くなります。

そのため、60代以上の方は、できるだけしっかり栄養を摂る必要がありますが、必要なエネルギーや栄養素は夕食ではなく、朝食や昼食で摂るようにしてください。

それにより、

  • 脂肪がつきにくく、分解されやすくなる
  • 体内時計のずれがリセットされ、心身の調子が良くなる
  • 睡眠の質が向上し、健康を維持できる
  • 夜間頻尿の改善につながる

など、さまざまなメリットを得ることができるからです。

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ホルモンやミネラルの補充、朝食重視の生活習慣、夜間の頻尿改善...健康寿命を伸ばす新常識を全3章にわたって解説

 

平澤精一

医師。日本医科大学卒業。日本医科大学大学院医学研究科にて、医学博士号取得/1992年に「マイシティクリニック」を開業。健康寿命に深くかかわる「テストステロン」の研究者として熟年期障害の治療、高齢者の健康を守る取り組みを数多く実践。「長生きの切り札! 亜鉛チャージ健康法」(アスコム)など著書多数。

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『60代からの最高の体調 ミネラル・ホルモンで「老いない体」を手に入れる』

(平澤精一/アスコム)

老いにくい体を作るには「ホルモンとミネラルの補充が重要」という著者がデータを用いて健康寿命を伸ばす必要性を説明します。サプリメントの取り方、朝食重視の生活習慣、夜間頻尿による睡眠改善に至るまで気づきが多い一冊。

※この記事は『60代からの最高の体調 ミネラル・ホルモンで「老いない体」を手に入れる』(平澤精一/アスコム)からの抜粋です。

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