アラフィフ女性にとって、身近なテーマである「更年期」。でも、更年期に起こる心身の不調の症状や程度、改善法は本当に人それぞれですよね。そこで、薬剤師やジャーナリストの方に、漢方で更年期症状が快方に向かった方のケースをお聞きする「更年期『漢方』相談室」を連載形式でお届け。第20回は、漢方薬・生薬認定薬剤師の清水みゆきさんに「更年期のむくみ」についてお聞きしました。
こんにちは、「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」で薬剤師として働いている、清水みゆきです。
40代になってから、急に顔がむくむようになった、なかなか足がむくみがとれないなどのお悩みをお持ちではありませんか?
それはもしかしたら更年期のせいかもしれません。
45~55歳の閉経前後の10年間は更年期と呼ばれており、この時期はホルモンバランスの影響でむくみやすくなることがあります。
私が対応したお客様でも、更年期の年代の方で、むくみが日常的に悪化してお困りの方がいらっしゃいました。
朝起きると顔が腫れぼったい、足がむくんでパンプスが履けない、結婚指輪がきついとお悩みだったそうです。
そんなCさん(49歳)が漢方でむくみを改善できた事例を通して、更年期の不調の改善方法をお伝えいたします。
1.更年期のむくみの原因とは?
更年期は、女性ホルモンが一番激しく変動する時期です。
40歳後半から50歳代になると、女性のからだは、女性ホルモンのひとつのエストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少します。
むくみは、このホルモンバランスの乱れによって自律神経系のバランスが崩れ、血行やリンパの流れが悪くなって生じると考えられています。
また、加齢による筋力の低下が原因で血行やリンパの流れが悪くなり、むくむこともあります。
漢方医学的には、からだの中で水(水分)の巡りが悪くなると、水分代謝が悪くなって余計な水分が溜まってむくみが生じると考えます。
また、疲れやストレスで気(生命エネルギー)が不足したり滞ったりすることによっても水の巡りが悪くなり、むくむことがあります。
2.「最近、顔も丸くなったね」むくみで指輪が入らず焦る私に主人からのキツイ一言
Cさん(49歳女性)のエピソードをご紹介します。
中学2年生の娘さんとご主人(51歳)の3人家族のCさんは、インテリアショップで働いていらっしゃいます。
雑貨が大好きなセンスのよい女性で、勤務先のディスプレイも任されているそうです。
この1年で生理がこない月があるようになり、同時に疲れやすさやめまい、むくみを感じるようになってきたそうです。
とくに、もともと生理前にひどかったむくみが悪化し、日常的にからだがむくむようになってお困りでした。
「仕事は接客業なので身だしなみには気をつけています。でも、毎朝起きると顔がむくんでパンパンなので、まずマッサージしてからむくみをカバーするメイクをしなくてはいけなくなり、時間がかかって大変です。顔以外のむくみもひどくて、足のむくみが原因でお気に入りのパンプスも履けなくなってしまいました。しかも、指がむくんでいるせいか、ずっと身に着けている結婚指輪も最近はきつく感じてきて・・・。
先日、仕事の都合で指輪を外していたんですが、はめようとしても指に入らなくなってしまいました。マッサージしてもダメで、泣く泣く指輪はしまっておくことに。『どうして指輪をつけていないの?』と主人に指摘されて、『きつくて入らないから』と答えると、『そういえば、最近なんだか顔も丸くなったよね』と言われ、ものすごく落ち込んでしまいました。水分を控えたり、毎日マッサージをしたりしても、むくみが解消しません。エステでスッキリしても一時的な効果で、またすぐに戻ってしまいます。病院に行こうにも何科を受診すればよいのかわからず途方にくれていました」
元気のないCさんを心配して声をかけてくれた職場の同僚に相談したところ、『むくみや疲れは更年期じゃない?』と言われて驚いたそうです。
早速、ネットで調べたところ、更年期のむくみや疲れに対して漢方薬も使われること、オンラインで漢方相談できるサービスがあることを知り試してみることにしました。
「漢方の服用を始めてから、まずトイレの回数が増えて驚きました。そして、顔のむくみが前ほど気にならなくなり、からだが軽くなったような感じがしました。飲み続けるうちに、足や指のむくみもかなり軽減し、むくみだけでなく疲れやすさやめまいも改善して体調そのものがよくなってきました。もう指輪も余裕で付け外しできますし、お気に入りのパンプスも履けるようになりました。『最近、スッキリしたよね!』と主人にも褒められてとてもうれしいです」
Cさんは弾けるような笑顔でお話してくださいました。
3.更年期のむくみは漢方で根本的に改善
女性ホルモンの変化は目に見えないので気がつきにくいですが、40代に入り、以下のような症状が見られる場合は、更年期の影響によるむくみかもしれません。
<これって更年期のむくみ?チェックリスト>
・手足や腰の冷えも悪化している
・むくみだけでなく、めまいやふらつきも感じる
・暑くもないのに汗をかいたり、のぼせたりする
女性ホルモンのバランスの乱れには医薬品としても認められている漢方が効果的です!
「できるだけ体に負担のない薬がいい」「飲み続けても大丈夫な薬が欲しい」そんな方にもおすすめです。
漢方は不調の改善を目的とした数千年の歴史を持つ伝統医療です。
これまで実に多くの人々のさまざまな症状を治してきました。
また漢方は、自然の草木や鉱物からできた生薬で作られています。
こうした自然のもつ力を上手に使うことは、私たちのからだの摂理に沿った無理のないやさしい作用をもたらします。
とくに漢方薬は、もともとの体質だからとあきらめていたようなことや、検査では異常が見つからないような不調の根本解決を目指したいときに、その力を発揮してくれます。
医学の力で不調の改善と健康的な生活を送りませんか?
また、食事の栄養バランスを意識したり、毎日運動を続けるのは難しいという場合でも、漢方薬なら自分の体質や症状に合うものを飲むだけなので、気軽に継続できるという点もメリットです。
今回Cさんが服用した漢方は産婦人科の三大漢方薬のひとつ「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」でした。
当帰芍薬散は、からだを温めて血や水の巡りをよくするはたらきがあり、更年期のむくみや冷えによく使われます。
更年期のむくみの改善には、他にも以下の漢方が使われることがあります。
<更年期のむくみにおすすめの漢方>
●頭痛やめまいも気になる方むけ:五苓散(ごれいさん)
水の滞りを解消してからだの水分バランスを調節してむくみを改善します。
●疲れやすい、汗をかきやすい、太り気味の方むけ:防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
胃腸のはたらきや水分の代謝をよくして余分な水分を排出してむくみを改善します。
ただ、どのような体質がその不調を招いたのかは人によって異なりますので、ご自身の状況に応じた漢方薬を選ぶことが大切です。
症状だけを見て漢方薬を選択すると、合っていない場合には副作用のリスクも高まります。
できるだけ漢方に精通した医師、薬剤師等にご相談の上で、ご購入ください。
自分の症状に効く漢方薬が知りたい。コスパ良く漢方を飲んでみたい。という方には、「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」などの、スマホで気軽に頼めるサービスもおすすめです。
4.続くとつらいむくみは漢方でスッキリ解消しましょう!
「最近、朝起きると顔がむくんでいる」
「むくみが悪化してぽっちゃりして太ったような気がする」
そのむくみの原因は更年期かもしれません。
漢方でからだの内側から改善して、更年期も元気な笑顔で過ごしていきましょう!