1つの検査では確定できません。知っておけば安心「関節リウマチの診察の流れ」

患者&予備軍が700万人に上るといわれ、痛みとともに手指が曲がってしまう難病の「関節リウマチ」。これまで「不治の病」と思われてきたこの病気の治療法は、実は新薬の登場で劇的に変化しているのだそうです。そこで、10万人の患者を救ってきたリウマチの専門医・湯川宗之助さんの著書『リウマチは治せる! 日本一の専門医が教える「特効ストレッチ&最新治療」』(KADOKAWA) より、「リウマチを治すための最新情報」をご紹介します。

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知っておけば安心できる「診察の流れ」

では、関節リウマチで病院を受診した場合の治療の流れをご説明します。

ただし、実際の診察では、治療が始まる前に、「本当に関節リウマチなのか否か」を確定することになります。

そして、関節リウマチの病状などが診断されたうえで、適切な薬が選ばれ、治療が始まることになります。

こうした診断のために行われるさまざまな検査・診断などの内容について、まずは触れておきましょう。

症状や検査結果をもとに総合的に判断

関節リウマチの診断では、「この1つの検査で陽性なら関節リウマチと確定できる」というものはありません。

そう聞くと、不安に思うかたがいらっしゃるようですが、そんな必要はありません。

きちんとした診断をするため、通常は以下のようなことが行われます。

【問診・触診】

患者さんからの情報は、医師にとっては「病気の状態」を知るための大切な手がかりになります。

ですから通常は、検査の前に医師が患者さんに会って、自覚症状・生活環境・家族も含めた病歴など、診断のために必要なさまざまな質問をします。

とはいえ、関節リウマチだからといって、難しいことを聞かれたりはしません。

今や、ほとんどの医療機関では、問診のベースになる「リスト形式の問診票」を用意していて、当院ではホームページで公開しているくらいです。

症状のある関節はもちろんのこと、全身をくまなくチェックする触診は、非常に重要です。

特に、下図の関節については、痛み・腫れ・熱感(熱っぽさ)・変形などの種類やレベルを確認し、関節の可動域(動かせる範囲)もチェックします。

また、血管の異常がないかもチェックします。

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【血液検査】

関節リウマチの検査で中心的な役割を果たすのが、血液検査です。

血液検査で詳しく調べる内容は、実に多岐にわたります。

いずれもかなり専門的な内容なのですが、とりわけ重要なのは以下の2点です。

●免疫の異常(リウマチ反応)
「リウマチ因子(リウマトイド因子/RF)」「抗CCP抗体(抗シトルリン化ペプチド抗体)」「抗核抗体」などの自己抗体の数値が、関節リウマチの「診断確定」や「病気の活動性(疾患活動性)」の判断材料になります。

自己免疫疾患の関節リウマチでは、これらが病気と密接な関係を持っていることは確かです。

自己抗体とは、自分の体の中にある細胞や成分を〝異物〟と誤って認識し、それらを攻撃・排除するメカニズムが働くときに作られる物質です。

ですから、自己免疫疾患の関節リウマチでは、血液中の自己抗体の量が多くなり、陽性反応を示します。

しかし、陽性とされる数値の人でも、関節リウマチの症状が出ていないケースや、反対に陰性とされる数値の人でも症状が出てしまうケースもあり、さらに厳密に言うと関節リウマチではない自己免疫疾患(膠原病)でも陽性数値が現れるため、専門的な捉え方をするのが重要とされています。

言い方を変えると、専門的な捉え方をすれば貴重な情報を得られるということになります。

ちなみに、会社の健康診断や人間ドックなどで受けた血液検査でも、リウマチ因子(リウマトイド因子/RF)の数値項目があり、陽性反応が出た場合には「リウマチの可能性」を指摘されると思います。

その場合も、初期症状がなければ、それほど気にする必要はありません。

関連記事:「疲れや加齢のせいだ」とそのままにしないで!関節リウマチの「意外な初期症状」チェックリスト

「リウマチ因子(リウマトイド因子/RF)の数値が高い=関節リウマチ」ではないので、いわば疑陽性のようなものです。

ただ、関節リウマチになりやすい体質とは言えるので、これを契機に関節リウマチという言葉を意識するようにして、「なんらかの初期症状が現れたらすぐに診てもらおう」と考えておけばいいでしょう。

●炎症の状態
「赤沈(赤血球沈降速度/ESR)」「CRP(C反応性たんぱく)」「MMP3(マトリックスメタロプロテアーゼ3)」などの数値が、関節リウマチの「診断確定」や「病気の活動性(疾患活動性)」の判断材料になります。

ほかにも、白血球・赤血球・ヘモグロビン・血小板などの数値、肝機能・腎機能と関連する物質の数値などもチェックし、診断や治療に活用します。

【画像検査】

レントゲン(X線)検査も欠かせません。

関節・骨の変化をいち早く見つけることは、関節リウマチの治療では不可欠です。

画像検査は、「関節リウマチであるか否か」の診断のほか、進行具合をみることによるステージ判定、他の病気との判別などにもたいへん有効です。

よく行われるのはレントゲン検査ですが、必要に応じて、エコー(超音波)・MRI(磁気共鳴装置)・CT(コンピュータ断層撮影装置)の検査も行います。

このほか、ときには、関節液や尿を調べることもあります。

【まとめ読み】『リウマチは治せる!』記事リストはこちら

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関節リウマチの正しい知識や、最新治療を受けるためのアドバイスを5章にわたって解説

 

湯川宗之助(ゆかわ・そうのすけ)
湯川リウマチ内科クリニック院長。父、兄ともにリウマチの専門医というリウマチ医一家に生まれる。2000年、東京医科大学医学部医学科卒業。親子2代で50年以上にわたりリウマチの研究を続け、患者数や症例数は日本一を誇る。日本リウマチ学会専門医・評議員。

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『リウマチは治せる! 日本一の専門医が教える「特効ストレッチ&最新治療」』

(湯川宗之助/KADOKAWA)

患者と予備軍をあわせて約700万人に上るといわれる関節リウマチは、痛みとともに手指が曲がってしまう“難病”として多くの人に知られています。しかし、新薬の登場で関節リウマチの治療法は大きく変化しているそう。関節リウマチの正しい知識や、最新治療を受けるためのアドバイス、病院選びのポイントや、痛みを悪化させない生活習慣のコツなど、「リウマチを治すための最新情報」が満載の一冊!

※この記事は『リウマチは治せる! 日本一の専門医が教える「特効ストレッチ&最新治療」』(湯川宗之助/KADOKAWA) からの抜粋です。
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