患者&予備軍が700万人に上るといわれ、痛みとともに手指が曲がってしまう難病の「関節リウマチ」。これまで「不治の病」と思われてきたこの病気の治療法は、実は新薬の登場で劇的に変化しているのだそうです。そこで、10万人の患者を救ってきたリウマチの専門医・湯川宗之助さんの著書『リウマチは治せる! 日本一の専門医が教える「特効ストレッチ&最新治療」』(KADOKAWA) より、「リウマチを治すための最新情報」をご紹介します。
初期に現れるサインを決して見逃さない!
関節リウマチは、激しい症状がいきなり現れる病気ではありません。
初期のうちは、「単に疲れているだけ」とやり過ごしがちな症状が現れることが多いのです。
それだけに、まずは「初期症状を見抜くポイント」を、できるだけ意識していただきたいと思います。
その点、典型的な初期症状、つまり「ペットボトルのふたが開けられない」「起床時に手がこわばって動かしづらい」といった変化は、最も気づきやすいものと言えるでしょう。
これらは、手の指という小さな関節に炎症が起こっているサインです。
朝に、こわばりや腫れをよく感じるのは、それほど難しい理由ではありません。
眠っている間は基本的に同じ体勢でいるため、リウマチ初期の原因となっている炎症物質や関節液が滞留してしまうからです。
この変化は、手の指だけでなく、足の指でもよく起こり、特に手の指の第2関節や第3関節に症状が現れます。
ただ、こわばりや腫れの感覚は、体を動かしているうちに消えていきます。
血液の流れがよくなり、炎症物質や関節液も〝とどまった状態〟から散らされるように動くからです。
だからこそ、見過ごされることが多いわけです。
ペットボトルのふたが開けづらいと感じるのも、同じ理由から、朝~午前中の時間帯であることが多いでしょう。
ですから仮に、朝~午前中だけに限らず、昼や夜にも「ペットボトルのふたを開けづらくなった」という場合には、すでに初期の段階を過ぎている可能性があります。
いずれにしても、「おかしいな」と感じたら、疲れや加齢のせいと決めつけてそのままにしてはいけません。
体からのサインを無視しないようにしてください。
こんなにあった〝意外な初期症状〟
「ペットボトルのふたが開けられない」「起床時に手がこわばって動かしづらい」といった変化をはじめ、初期段階の関節リウマチの〝サイン〟になりやすいものがいくつかあります。
次の表に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
なかには、意外に思われるものもあるかもしれませんが、実際に患者さんからの声も多い例ばかりです。
直近で「転んだりぶつけたりして関節を痛めた」などの「はっきりした原因」がないのに、1つでも当てはまる項目があるなら、初期のリウマチかもしれません。
「疲れているだけかもしれないし」「この程度の不調でお医者さんに診てもらってもいいのかしら」などと、遠慮する必要はまったくありません。
「間違っていたらどうしよう」と、心配することもありません。
体の異常を感じたら、ためらうことなく診察を受け、〝病気の進行を許す時間〟をなくすように考えてください。
リウマチの意外な初期症状チェックリスト
以下に思い当たる症状はないでしょうか?
1つでも当てはまるものがあれば、初期のリウマチの可能性があります。
□ペットボトルのふたが開けられない
□ドアノブが回しにくい
□起床時に手がこわばって動かしづらい
□家のカギが開けにくい
□体がだるい
□靴ひもが結びにくい
□微熱が続く
□ハサミが使いづらい
□食欲がない
□ホチキスが使いづらい
□体重の減少
□パソコン入力がしづらい
□貧血気味
□電車のつり革を持つ手に、違和感がある
□朝食を作るとき、動作に違和感がある
□パジャマのボタンが外しにくい
□歯ブラシが使いにくい
□TVのリモコンが押しにくい
□お箸を上手に使えない
□歩きづらくなった
□今まではスッと入った指輪が、関節にひっかかる
関節リウマチの正しい知識や、最新治療を受けるためのアドバイスを5章にわたって解説