前頭前野を鍛えて脳の老化予防!専門家が教える「頭の体操」の重要性

年齢を重ねると誰でも、人の名前が思い出せなくなったり、もの覚えが悪くなったりします。こうした「もの忘れ」は加齢によるもので、心配することはありません。最近は「もの忘れ」を予防する脳のトレーニングにも注目が集まっています。そこで、脳トレ第一人者で、(株)NeU 取締役CTO、東北大学加齢医学研究所 所長の川島隆太先生にお話を伺いました。

前頭前野を活性化させれば脳の老化は改善できます

「加齢とともに脳の機能は低下します。これは体力が年々衰えるのと同じこと。

しかし、日常的に脳を使う習慣をつければ、体力と同様に脳機能の低下は予防できます」と、川島隆太博士。

脳は大脳、小脳、脳幹に大別され、中でも約80%を占めるのが大脳です。

大脳は、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の4つに分かれており、このうちの前頭葉の大半を占めるのが前頭前野です。

前頭前野の働きは上記の通り、毎日を充実させて豊かに生きるために必要なことばかり。

前頭前野が衰えると「考える力が低下する」「我慢ができなくなる」など、脳の老化現象が多々起こります。

ですから、脳の老化予防には前頭前野を鍛える必要があります。

頭の回転速度を上げる=何かをできるだけ速く行うことと、脳の作業領域を広げる=記憶することで脳は鍛えられます。二つの頭の体操を毎日10分程度行えば、前頭前野が活性化して脳の処理能力が高まります」(川島博士)

人とのコミュニケーションも脳の活性化の一策。

「家族や友人との積極的な関わり合いが、脳の衰えを防ぎます。好きな有名人の舞台を見に行くといった心がときめくことも、行動を起こすきっかけになれば脳の活性化につながります」(川島博士)
脳の活性化は、将来の認知症予防にもなります。

いますぐ脳の若返りに取り組みましょう。

●頭の体操にチャレンジ! 

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●頭を鍛えれば、働きやすい脳になります!

1911p057_01.jpg前頭前野は、こんな働きをしています

・考える
・暴力などの衝動的な行動をがまんする
・怒りなどの衝動的な感情をがまんする
・人と対話をする
・新しいことを記憶したり、昔を思い出したりする
・意識や注意を集中する
・意識や注意を分散する
・やる気を出す

毎日行いましょう
「頭の体操」は"速さ"、"記憶"を鍛えます

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できるだけ 速く行う

何かをできるだけ速くやることで、情報処理をする速度が鍛えられます。

「計算題をできるだけ速く解く」ことを繰り返し行うと、単純に計算力が上がるとともに、あらゆる情報処理が速くできるようになります。

間違っても気にせず行うことが大切です。

こんなことに挑戦

「計算問題を全速力で解く」「百ます計算を、制限時間内に行う」「早口言葉を全速力で言う」など正解にとらわれず、とにかく速く行います。

記憶をする

どれだけたくさんの記憶を一時的に脳内にとどめていられるかというトレーニングは、作動記憶を高める脳トレになります。

作動記憶は、何か作業を行うとき、一時的に取り出された記憶、あるいは一時的に覚えている記憶のこと。ワーキングメモリ、作業記憶とも呼ばれます。

この作動記憶を鍛えると、思考が全体的に柔らかくなる傾向があり、突発的な怒りの感情の抑制や、コミュニケーション能力、判断力の向上も期待できます。

こんなことに挑戦

「電話をかけるために一旦、番号を覚えておく」「人の言っていたことを覚えてあとでノートに書き留める」「音読→暗唱を繰り返す」など。

取材・文/笑(寳田真由美) 撮影/松本順子 イラスト/石坂 香

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<教えてくれた人>

川島隆太(かわしま・りゅうた)博士

(株)NeU 取締役CTO、東北大学加齢医学研究所 所長。東北大学大学院医学研究科修了、スウェーデン王国カロリンスカ研究所、東北大学加齢医学研究所助手、講師、教授を経て同研究所所長。『認知症の脳もよみがえる頭の体操』(アチーブメント出版株式会社)など著書多数。

この記事は『毎日が発見』2019年11月号に掲載の情報です。

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