体の疲れがとれにくい、腰やひざ、足首などの関節が痛い、体重が落ちにくい...。その原因は「ズボラ筋」の衰えかもしれません。そこで今回は、YouTubeチャンネル登録者数約90万人(2022年8月時点)を誇る格闘家整体師・nobu先生による『ズボラ筋を動かすだけで体がラクになる 関節痛をリセットする3分足踏み体操』(KADOKAWA)から、1日たった3分でできる超簡単なセルフケアを紹介。60分の徒歩より3分の足踏み! 効率的に健康な体を手に入れたい人、必見です。
※本記事はnobu先生著の書籍『ズボラ筋を動かすだけで体がラクになる 関節痛をリセットする3分足踏み体操』から一部抜粋・編集しました。
【前回】体がだるい、関節が痛む...原因は「ズボラ筋」にあり!?
関節が痛むワケ
足踏み体操で、なぜ関節の痛みが取れるのでしょうか?
それを説明する前に、そもそも「痛み」とはなんなのか、日本人の「国民病」とも呼ばれる腰痛を例にして、詳しく解説しましょう。
さて皆さんは、スマホやパソコンを操作する際、どのような姿勢を取っているでしょうか。
きっと、頭を前に傾けて、画面をのぞき込むようにしている人が多いはずです。
実は、「正しい姿勢」から頭が少しでも前に傾くだけで、背骨には大きな負担がかかるといわれています。
スマホやパソコンに熱中している人は、正しい姿勢から20度くらい頭が前に傾いていますが、この姿勢だと、背骨にはなんと20kg以上もの負荷がかかるのです。
10kgの大きな米袋なら2つ分。
それが、スマホやパソコンを操作する間、ずっと背骨にのしかかり続けているわけです。
想像しただけで、腰が痛くなってきそうですね。
悪い姿勢につながる動作のクセ
上図のように、正常な背骨は、真横から見ると、緩やかなS字カーブを描いています。
そのカーブ(湾曲)があることで、スプリング(バネ)のように機能して、重力や外部からの衝撃を吸収する役割を果たしているのです。
しかし、スマホ操作などで頭を前に傾ける習慣があると、背骨に大きな荷重がかかるため、しだいに背骨のS字カーブが崩れていきます。
また、それが常態化すれば、背中が丸まった「猫背」(受け背)や、逆に腰が前に反っている「反り腰」といった悪い姿勢につながるのです。
このとき、背骨や骨盤、股関節を支えている筋肉がしっかりと働いていれば、もしかしたら姿勢の悪化を防げるかもしれません。
しかし、それらの筋肉がズボラだと、姿勢の悪化に歯止めが効かなくなります。
そして、ズボラ筋をフォローしようと、別の筋肉(頑張り屋さんの筋肉)に負担がかかり、そこに痛みが生じるのです。
痛みがある場所(患部)は、頑張り屋さんの筋肉であるため、いくら患部にアプローチしても意味がありません。
痛みの元凶となっているのはズボラ筋であり、痛みが現れている患部とは、別の場所にあるのです。