一時期、感染の流行が治まっているようにみえた新型コロナウイルスですが、再び感染者数の増加がみられるようになりました。これからどうしていけばいいか、疑問が尽きないのではないでしょうか? そこで今回は、3回目のワクチン接種の副反応や予防薬など、新型コロナウイルスにまつわるさまざまな疑問について、米国立研究機関博士研究員の峰宗太郎先生にお伺いしました。
【前回】新型コロナ「3回目のワクチン接種を受ける必要はある?」さまざまな疑問を解決/教えて! 峰先生
【疑問】
3回目のワクチン接種の副反応は?
「副反応はおおむね2回目までと同じ程度です」
「ファイザー社などの報告によると、海外で行った治験では、3回目のワクチン接種後の副反応は、2回目までと同じ程度だということです。
ですから、過度に不安を感じる必要はありません。
3回目の接種では、2回目までと異なるワクチンの接種も認められました。
これは、1回目、2回目にモデルナ製やアストラゼネカ製のワクチンを接種した人も、ファイザー製ワクチンを打って問題ないという意味です。
異なるワクチンを接種したことで、深刻な副反応が起こったというような報告はされていません」
【疑問】
飲み薬が使えるようになればもう安心でしょうか?
「治療の選択肢は増えますが感染の終息とは別ものです」
「新型コロナウイルスの経口薬は重症化を減らすもので、かからなくする予防薬でも絶対に重症化しなくなる特効薬でもありません。
投薬さえすれば良くなるわけではないのです。
経口薬を使えるのは、感染発覚・発症後すぐのタイミング。
そこで投薬することで、重症化のリスクを低下させます。
医療機関としては、新たな薬ができることで治療の選択肢は増え、医療逼迫を減らす一助になるでしょう。
ただ、個人の問題でいうと、経口薬によって重症化を防げる割合は、全てではありません。
重症化を避けられない人もいることが分かっています。
重症化しないとしても、発症してしまえば後遺症が残ることも。
ですから、感染しないことが最も重要です」
日本では、米製薬大手メルクが開発中の新型コロナウイルスの飲み薬の製造販売承認を厚生労働省に申請済み。
【疑問】
新たな変異ウイルスであるオミクロンの影響は?
「まだ不明なことが多い状況です」
「新たな変異ウイルスであるオミクロンは、人から人へよりうつりやすくなっている可能性と、ワクチンが効きにくくなる可能性が想定されていますが、個々人で行う予防策は変わりません。
ワクチンの効果はある程度下がる可能性が考えられますが、効果が0になることはないでしょう。
デルタなど他の変異ウイルスも流行していますので、いままで通りワクチンの重要性は変わりません。
実証された情報が十分に出てくるのを待つことが必要ですが、慌てず、これまで通りの予防策をしっかりとっていきましょう」
※掲載内容は、2021年12月10日時点の情報に基づいています。
取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) イラスト/上路ナオ子