一時期、感染の流行が治まっているようにみえた新型コロナウイルスですが、再び感染者数の急激な増加が各地でみられるようになりました。これからどうしていけばいいか、疑問が尽きないのではないでしょうか? そこで今回は、今後の対策や情報との付き合い方などを、米国立研究機関博士研究員の峰宗太郎先生にお伺いしました。
【前回】新型コロナ「3回目のワクチンの副反応は?」「飲み薬は?」さまざまな疑問を解決!/教えて! 峰先生
【疑問】
新たな変異ウイルスにはどんな対策が必要ですか?
「これまで通り基本的な予防策とワクチン接種を」
「新たな変異ウイルスであるオミクロンは、南アフリカの伝染病研究所が2021年11月に発見したもので、世界中で流行の主流になりつつあります。
いま分かっていることとしては、一つ目に伝播性が高く、人から人へうつりやすくなっていること。
二つ目が、スパイクタンパク質だけでも32カ所と、多くの変異があることから、再感染しやすくなったり、ワクチンが効きにくくなったりしていることです。
一方、病気の重症化はややしにくくなっている可能性があるとの報告があります。
しかし正確なデータがでるには、まだ時間がかかるでしょう。
感染が広がっている南アフリカでは、入院患者の大半が重症化リスクの低い40歳以下です。
そもそも日本と比べてはるかに若者が多い国なので、その点からも高齢化社会に暮らす人々が参考にするのは早計です。
しかし、新たな変異ウイルスが主流になったとしても私たち一人一人にできる感染対策に変わりはありません。
こまめに手洗いをする、3密を避ける、マスクを着用するといった感染対策をこれまで通りしっかりと続けること、そしてワクチンを接種することが重要です。
その上で、感染の流行状況を見極めながら行動するように心がけておいてください」
※掲載内容は、2022年1月12日時点の情報に基づいています。
取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) イラスト/風間勇人