2021年12月10日現在、感染の流行が治まっているようにみえる新型コロナウイルス。とはいえ、これからどうしていけばいいか、疑問が尽きないのではないでしょうか? そこで今回は、コロナ禍での行動の仕方や3回目のワクチン接種など、新型コロナウイルスにまつわるさまざまな疑問について、米国立研究機関博士研究員の峰宗太郎先生にお伺いしました。
【疑問】
コロナ禍で外出が減り、体力が落ちました。いつまで予防に努めたらよいでしょう?
「感染の流行状況をみながら行動を」
「新型コロナウイルスは、人と人との接触によってうつることは、みなさんご存じの通りです。
感染者との接触を断てば、ウイルスがうつってくることはありません。
とはいえ、感染の流行が治まっているいまのような状況で(2021年12月10日現在)、人との接触を断って家にこもってばかりいるというのは、経済的な影響や健康の維持を考えると決していい方法ではないでしょう。
日本では2回目のワクチン接種を終えた人が75%を超えましたが、裏を返せば30%弱の人はまだ接種できていないということです。
ですから、まだまだ感染が流行する可能性はあります。
海外では、『ワクチンを接種したから大丈夫』と、一気に基本的な予防策を緩めた結果、感染が急拡大している国が多々見受けられます。
このことからも、感染の流行状況をみきわめながら行動することがいかに大切かよく分かります。
現在のように落ち着いた状況ならば、ワクチン接種、3密回避、マスク、手洗いといった基本的な予防策はしっかり行うことを前提に、買い物や散歩に行くなど活動を活発にすることは、何ら問題ないでしょう。
新型コロナウイルスのことばかりを考えるのではなく、トータルでの健康維持を考えて行動してください」
《読者アンケート/コロナ禍で健康や体力に変化はありましたか?》
▼ 体力が落ちた
「家にいることが多くなり、体力が落ち、階段の昇降もひと苦労に」
▼ 会話が分かりにくい
「もともと難聴ぎみ。マスクで口元が見えず、会話をするのが億劫に」
▼ 太った
「生活のリズムが崩れて太り、老化も進んだように感じます」
(2021年10月の読者モニターアンケートより)
【疑問】
家族や親しい人との集いはまだ先にした方がよいですか?
「感染が抑えられていれば問題ありません。ただし、予防策は確認を」
「感染の流行が抑えられていれば、親しい人たちと会うことは問題ないでしょう。
ただし、先にもお話しした通り、3密を避ける、手を洗う、マスクをつける、といった予防策は続けたうえでということを忘れないでください。
親族や仲間同士が会する場で、ワクチンを打つことができない年齢のお子さん(接種の対象は満12歳以上から)がいる場合は、少なくともご自身や周りの大人はワクチン接種を終えていることが基本です。
最も怖いのは、人の心の緩み。
ワクチン接種を終えているからと、気を緩め過ぎないよう心がけておいてください。
いまがどういう状況なのか、感染が抑えられているのか、それとも感染が流行に向かっているのかをご自身で判断して行動することが大切です」
《読者アンケート/いまも続けている感染予防対策は?》
▼ 外出時はマスク、消毒
「外出時はマスク着用。アルコール消毒もこまめに行う」
▼ 帰宅後は手洗い、うがい
「帰宅後はもちろん、気付いたら手洗い、うがいをします」
▼ 密を避ける
「カラオケは行かない。体操教室の待ち時間は1人で待つように」
(2021年10月の読者モニターアンケートより)
【疑問】
万が一、風邪のような症状が出たらどうしたらよいですか?
「すぐに受診しましょう」
「症状をみただけで、すぐに風邪なのか、インフルエンザなのか、新型コロナウイルスなのかという判断をすることは、医師でも難しいものです。
万が一、発熱や咳、普段よりも鼻水が激しいといった症状がある場合は、すぐに医療機関を受診するようにしてください。
新型コロナの場合、大したことはないから大丈夫だろうと様子をみているうちに、重症化してしまうこともあるので注意が必要です。
自己判断で行動するのではなく、何かしらの症状があったら、ためらわずにすぐに受診するようにしましょう」
取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) イラスト/上路ナオ子