新型コロナやインフルと間違われやすい!? 「長引くせき」は原因を突き止めてのどを守ろう

かつて何気なくしていたせきが、新型コロナウイルスの感染拡大とともに大変気になるものになりました。長引くせきにはさまざまな種類があり、背後に潜んでいる病気も多様です。今回は、千葉大学医学部附属病院 アレルギーセンター長 アレルギー・膠原病内科 教授の中島裕史(なかじま・ひろし)先生に「長引くせき」についてお聞きしました。

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ご存じですか?
「長引くせき」の分類

遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう)
喀痰(=痰)を伴う湿性咳嗽(=せき)や、喀痰を伴わない乾性咳嗽が3週間以上続く場合

慢性咳嗽
上記の症状が8週間以上続く場合


長引くせきにはいろいろな種類があり、期間でいえば、3週間以上続くせきを「遷延性咳嗽」、8週間以上続くせきを「慢性咳嗽」と称します。

ちなみに...

せき:気道やのどの表面が刺激され、反射的に出る
痰:気道の内壁を覆う粘膜で異物をとらえ、繊毛の動きで外へと吐き出す

こんな病気が潜んでいることも...
・胸やけや咽頭の違和感を伴う場合→ 逆流性食道炎
・鼻汁や鼻づまりを伴う場合→ 副鼻腔炎
・夜間に多い、寒い季節に多い場合→ せき喘息

せきは気道への刺激や炎症で生じます。逆流した胃酸が気道に入る、あるいは鼻汁がのどを通って気道に入るとせきになります。ただし、最も多い原因はせき喘息といえます。


感染症かアレルギーか
多様なせきの原因

風邪のシーズンが到来すると、新型コロナワクチンやインフルエンザワクチンを接種していても、せきや鼻汁、鼻づまりなどの症状に見舞われることがあります。

発熱もなくちょっと体調を崩した程度ならば、市販薬を服用しつつ自宅で安静にして様子を見るのが一般的でしょう。

ところが、しばらくたってせきだけが止まらないようなことも起こります。

夜間にせき込んで目が覚め、睡眠不足に陥ってしまうことも...。

さらに、長引くせきで気道の入り口の声帯も炎症を起こし、「声が出ない」といったつらい症状が合併することもあります。

その原因の一つが「せき喘息」です。

「8週間以上もせきが続く『長引くせき』の40~50%は、せき喘息が原因です。せき喘息は、気道の粘膜のアレルギー反応によって生じますが、喘息とは異なる病態です。風邪の後にせき喘息を起こしやすいのでご注意を」と中島裕史先生は警鐘を鳴らします。

せきは気道に侵入した異物を外に出すために生じます。

風邪のせきは、主にウイルスを追い出すために起こるのです。

風邪のウイルスはのどや気道の粘膜から細胞に侵入し、増殖して炎症を起こすため、せきはウイルスを排除する体の防御反応です。

ただし、風邪によって荒れた粘膜に、ハウスダストなどが付着してアレルギー反応が起こっても、せきは生じます。

これがせき喘息です。

風邪が治った後にせきだけが残るのは、せき喘息のことが少なくないそうです。

「せき喘息は気道の粘膜に炎症が起こるので、ウイルスや細菌感染も生じやすく、風邪も引きやすくなります。つまり、風邪とせき喘息を繰り返すことがあるのです。そのうち、喘息になってしまう方もいます」と中島先生。

喘息では、炎症が繰り返されることで気道が狭まり、せきとともに「ヒューヒューゼイゼイ」という喘鳴が起こるのが特徴です。

また、ひどい発作では、呼吸困難にもなるので注意が必要です。

喘息も、ハウスダストなどのアレルギー反応で症状がひどくなりますが、いまの時期、思わぬところにアレルゲン(抗原)が潜むことがあります。

「エアコンを夏場に使用したまま秋から冬にかけて使うと、エアコン内のカビでせき喘息や喘息を引き起こすことがあります。エアコンはフィルターなどをきちんと清掃してから使いましょう」と中島先生。

一言で「せき」といっても、ウイルスや細菌による感染症やアレルギー反応など、いろいろな原因があることを覚えておきましょう。

私たちののどはこうなっています

咽頭や喉頭のことを、一般的に「のど」といいます。鼻の奥から食道の上あたりまでを咽頭、気管の入り口から声帯あたりまでを喉頭といいます。

2112_P087_01.jpg主な「のどの痛み」や「せき」の原因となるもの

  • 細菌やウイルスなどの感染
  • のどの乾燥(大気の乾燥、寒さなど)
  • のどの酷使大声を出す、長時間話し続けるなど
  • のどへの刺激たばこ、換気の悪いところに長時間滞在、刺激のある飲食物

のどの痛みとせきは直接は無関係です。風邪で同時に起こりやすいので勘違いされやすいのですが、せきは気道への刺激や炎症、気道の先の肺の炎症で発生します。

取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

<教えてくれた人>

千葉大学医学部附属病院 アレルギーセンター長 アレルギー・膠原病内科 教授
中島裕史(なかじま・ひろし)先生
1988年、宮崎医科大学医学部卒。99年、千葉大学大学院医学研究科博士課程修了。2005年、アレルギー・臨床免疫学教授。せき患者の診断・治療を数多く行う。

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この記事は『毎日が発見』2021年12月号に掲載の情報です。

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