一時期、感染の流行が治まっているようにみえた新型コロナウイルスですが、再び感染者数の増加がみられるようになりました。これからどうしていけばいいか、疑問が尽きないのではないでしょうか? そこで今回は、コロナ禍での行動の仕方や3回目のワクチン接種など、新型コロナウイルスにまつわるさまざまな疑問について、米国立研究機関博士研究員の峰宗太郎先生にお伺いしました。
【前回】新型コロナ「いつまで予防を?」「もう友人と集まっても?」さまざまな疑問を解決
【疑問】
3回目のワクチン接種、受ける必要はあるのでしょうか?
「3回目接種は重症化を防ぐためと考えて。――目的を理解してしっかりと判断を」
「ウイルスの感染は、例えると火事のようなものです。
いまは火事が起こっていませんが、もしも火がついてしまったら、運が良ければ"ぼや"で収まるかもしれませんが、家がまるごと焼けてしまう可能性もあるでしょう。
最も大切なのは、そもそもの火事を起こさないこと、つまり火事が起こらないように火の元に用心することです。
これを新型コロナウイルスの感染に置き換えると、火の元に用心する=手洗い・マスク・3密を避けるといった基本的な感染予防対策と、ワクチン接種です。
いくら治療薬を使ったとしても、感染してしまうと体に影響が残りえます。
発症しなかったことにはならないのです。
そのうえで、3回目となるワクチンの追加接種は、何が目的かをきちんと確認しておく必要があります。
新型コロナウイルスのワクチンの効果は、ファイザー製ワクチンでは、感染予防効果や発症予防効果は6~8カ月経つと下がってくるという報告があります。
では、重症化予防効果はどうかというと、いくつかの研究の結果、8カ月経ってもあまり落ちていないことが分かっています。
これは、モデルナ製も大きく異なることはありません。
もし、感染をしっかり予防したいのであれば、2回目の接種から半年後くらいを目安に追加接種を行った方が良いでしょう。
ただ、重症化予防であれば、8カ月以上経っても高い予防効果があるわけですから、追加接種を急がなくても良いと思います。
とはいえ、予防効果は全て徐々に下がっていきます。
ワクチン接種完了後に感染してしまう"ブレイクスルー感染"の可能性もゼロではありません。
そもそもワクチンを接種しさえすれば、抗体が確保されて絶対にウイルスに感染しないということはありません。
どのタイミングで接種をするのが良いのか否か、ご自身でしっかり考えて判断するようにしてください」
(イスラエルの研究より、ファイザー社製利用)
3回目のワクチンは接種しますか?
2021年10月、読者モニター256人に調査。「様子をみて考える」人の理由には、下記のような回答がありました。
(2021年10月の読者モニターアンケートより)
取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) イラスト/上路ナオ子