世に溢れる多くの「ダイエット本」。あなたもそれらのダイエット本を読んで様々なダイエット法を試してみたのではないでしょうか。しかし、食べるのを我慢してすらやせなかったのは、あなたの腸に「おデブ菌」がしっかり棲みついているからかもしれません!
腸内環境・腸内フローラを健康に保てば、あなたも「やせ体質」になれる可能性が......!
5分で作れる「酢玉ねぎ」やヨーグルト由来の「ホエイ」などを使って健康的にやせる、画期的「ダイエット」法です。
※この記事は『1000兆匹の腸内細菌を使って10キロ楽にやせる方法 ヨーグルト・ホエイと酢タマネギが効く!』(藤田紘一郎/KADOKAWA)からの抜粋です。
前の記事「まずは2週間試してみて。「酢玉ねぎ」で腸内細菌の勢力図を変えよう/10キロ楽にやせる(8)」はこちら。
◎腸が生み出すホルモンでやせられる
一般的に腸の働きをよくするために、ヨーグルトが役立つといわれています。みなさんは、ヨーグルトをどのように食べていますか?
「400グラムの大きなパックのヨーグルトを購入して、少しずつ食べています」
という方は多いでしょう。
このとき、少し日にちが経つと、ヨーグルトの表面に透き通った上澄み液が生じることがありますね。これを「ホエイ(乳清)」といいます。
「上澄みは気持ち悪いので、捨てています」
こうおっしゃる方がいました。でも、やせるためには、ヨーグルトよりも「ホエイ」が役立つのです。
上澄みの「ホエイ」は、ヨーグルトの乳脂肪分が除かれて、タンパク質を豊富に含んでいます。それらのタンパク質は、小腸で作られる「インクレチン」というホルモンの分泌を増やす働きがあるのです。
インクレチンは、通称「やせホルモン」と呼ばれ、太りにくい体を作る仕組みに関係しています。その仕組みを簡単に見てみましょう。
私たちがパンやご飯などの炭水化物を食べると、胃で消化されて小腸へ送られて、「ブドウ糖」に分解されて体内に吸収されます。
「ホエイ」で増える「やせホルモン」は、食べ物が胃から小腸へ送られるスピードを抑えて、小腸の吸収もゆるやかにすることで、血液中にたくさん「ブドウ糖」が流れるのを防ぐ作用があるのです。
ブドウ糖は、細胞に取り込まれてエネルギー源となりますが、血液中に流れるブドウ糖を細胞が取り込むには、〝合図〟を必要とします。その合図になるのが、膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンの一種「インスリン」です。やせホルモンの「インクレチン」とは、別のホルモンなので、勘違いしないでくださいね。
「やせホルモン」は、膵臓の細胞を強化し、この「インスリン」が効率よく出るように促す作用もあるのです。
インスリンが効率よく分泌されると、それを合図に細胞は血液中からブトウ糖を取り込み、エネルギーに変換します。胃から小腸へご飯などがゆっくり送られてくると、小腸でのブドウ糖への分解と吸収が抑えられるので、血液中のブドウ糖の量は減ります。
そこで効率よくインスリンが分泌されると、細胞はエネルギー源としてすぐにブドウ糖を使い切ってしまうことになります。すると細胞は、足りないエネルギー源を「お腹についた脂肪」などでまかなうため、脂肪を燃焼させることにもつながるのです。
●やせホルモンは、お腹の脂肪燃焼に働きかけます
そして、「やせホルモン」は、脂っぽい食事による脂肪の吸収も抑えることが、最近の研究でわかってきました。
脂っぽい食事の脂肪は、体内で吸収されるとお腹の脂肪などに変わりやすくなります。それを「やせホルモン」が抑えてくれるのです。
さらに、「やせホルモン」は、脳へ食欲を抑制するように働きかけ、「食べてすぐにお腹が空く」といったことも防いでくれます。
このようにメリットの多い「やせホルモン」は、「ホエイ」を飲むことで簡単に増やすことができます。
次の記事「「やせホルモン」を増やす「ホエイ」は食前に飲むのがベスト/10キロ楽にやせる(10)」はこちら。