鎮痛剤の飲み過ぎで慢性化⁉「薬物乱用頭痛」をご存じですか?

4人に1人が悩んでいるといわれる頭痛。改善には「頭痛のタイプ」を知ることと、「タイプに合わせた体操」などの実践が早道です。今回は、埼玉国際頭痛センター センター長の坂井文彦先生に「薬物乱用頭痛」について教えていただきました。

薬の飲み過ぎで起こる〝薬物乱用頭痛"って?

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鎮痛薬の飲み過ぎで慢性的な頭痛に

頭痛持ちの人は、いつまた頭痛が起こるかという不安から、痛いときはもちろん、痛くなくても薬を飲んでしまいがちです。

すると、薬の量が増え、効き目が短くなり、やがて薬そのものによって頭痛が誘発されるように。

「処方薬や市販の複合鎮痛剤(※1)は月10日以内。市販薬で単一製剤(※2)の場合は月15日以内が服用の目安です。それ以上は、薬の飲み過ぎによって薬物乱用頭痛を起こしている可能性があります」(坂井先生)。

治療は薬をやめることが大原則。

鎮痛薬に頼りがちな人は注意が必要です。

※1:複合鎮痛剤は、鎮痛薬とカフェインなど2 種類以上の成分を混合した薬。効き目が早いが依存になりやすい傾向があります。

※2:単一製剤は成分が1 種類のみの薬。

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取材・文/笑(寳田真由美) イラスト/sino・渡邉美里

 

<教えてくれた人>

埼玉国際頭痛センターセンター長
坂井文彦(さかい・ふみひこ)先生

慶應義塾大学医学部卒業。1976年米国ベイラー医科大学神経内科留学。97年北里大学医学部神経内科学教授。2010年より埼玉医科大学客員教授、現職に。著書に『「片頭痛」からの卒業』(講談社現代新書)など。

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「片頭痛」からの卒業

(坂井文彦/講談社現代新書

今回「頭痛さよなら体操」を教えてくださった坂井先生の著書。「片頭痛」を中心に、予防の仕方、治療、クスリとのつきあい方など、「頭痛治療の最前線」について、わかりやすく教えてくださいます。坂井先生が編み出した「頭痛ダイアリー」の活用法から、「頭痛体操」、頭痛になりにくい生活習慣まで盛りだくさんの一冊です。

この記事は『毎日が発見』2020年6月号に掲載の情報です。

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