唇?ひざ?手? みんなはどの場所の乾燥に悩んでいる? 乾燥対策に必要な3つのルール

冬に私たちを悩ませるものといえば「肌の乾燥」。「肌が乾燥してかゆい」「肌がカサカサしてメイクがのらない」など、肌の乾燥について悩みをお持ちの方は多いことでしょう。
正しい肌の乾燥対策について皮膚科医で「ウォブ クリニック中目黒」総院長の髙瀬聡子先生に教えてもらいました。

 
唇?ひざ?手? みんなはどの場所の乾燥に悩んでいる? 乾燥対策に必要な3つのルール pixta_27919863_S.jpg保湿後の油分で肌をバリア。潤いを逃さないお手入れを

空気が乾きやすいこれからの季節に多い肌の乾燥トラブル。そこで、『毎日が発見』読者モニターの皆さんに乾燥が気になる部位を聞いたところ、顔は「目の周り」「唇」「頬」の3カ所が上位に。体は「かかと」「手」「ひざ」という結果に。乾燥がひどいときの症状では、「保湿しても、肌のかさつきが治まらない」「肌がひび割れるようになって痛む」「粉が吹いてかゆくなり、かきむしってしまう」などの声が目立ちました。

●乾燥が気になる部位は?

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「50代以上になると、肌の皮脂分泌が低下し、肌を外気から保護する皮脂膜の力が低下します。また、肌のターンオーバー(表皮の細胞が生まれてから剥がれ落ちるまでの新陳代謝のこと)の周期も長くかかるようになり、細胞の生まれ変わりのサイクルが遅れ、余分な角質がはがれにくくなって角質が厚くなります。その結果、肌の内側では保湿成分の生成能力が低下。外側では肌を保護する皮脂が減ります。さらに、角質が厚く肥えてしまうことで水分の浸透も悪くなり、肌が乾燥しやすくなります」。(髙瀬先生)

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基底層で生まれた細胞は、肌表面に押し出されるに従ってさまざまに形を変え、最終的には角質細胞となって自然と剥がれ落ちます。この肌が生まれ変わる仕組みをターンオーバーといい、20代の頃は約28日周期ですが、50代では約75日、60代では約100日と年々広がっていきます。

では、肌を乾燥から守るには、どうしたらよいのでしょう? 乾燥対策の基本は以下の3つです。

1.入浴後や洗顔後のスキンケアは15分以内に行う

2.水分よりも油分をより強化する

3.「洗い過ぎ」や「肌に摩擦を与える行為」は避ける

まず心がけたいのは、入浴後や洗顔後のスキンケアは15分以内に行うこと。その際大切なのは、潤いを逃さないお手入れ。顔は、化粧水で水分を十分満たした後に、乳液やクリームなどの油分でふたをします。体は、全身用のクリームなど、油分を塗ることで保湿します。

次に、肌表面のバリア機能を補うため、水分よりも油分をより強化すること。もともと肌のバリアは、天然の高級クリームである皮脂が作り上げるものですが、加齢によってその力が低下した肌には、擬似的にバリアを作ってくれる保湿アイテムが必須です。十分に水分を補ったら、油分多めのクリームなどで肌にバリアを作りましょう。

そして、肌のバリア機能を低下させる要因となる「洗い過ぎ」や「肌に摩擦を与える行為」は避けましょう。ナイロン製のタオルなど、摩擦が強いものでゴシゴシと体を洗っている人は、乾燥を進ませる一方です。体や顔を洗うときは、できるだけ摩擦を与えず、優しく洗い流します。

「大人の女性が目指したい健康的な肌は、ハリ(適度なボリューム)とツヤ(適度な油分)があり、吹き出物やトラブルがない状態。年齢的に、多少のシミやしわがあっても、それが自分の歴史を語っているものと、自分自身の肌に自信を持つことも大切です」(髙瀬先生)。次の回からは、具体的な乾燥対策をご紹介します。この冬は、かさつかない肌を目指しましょう。

 

次の記事「目の周り、唇、ほほ。気になる「顔周り」の乾燥対策、正解はこれ!(2)」はこちら。
取材・文/笑(寳田真由美)

 

<教えてくれた人>
髙瀬聡子(たかせ・あきこ)先生

皮膚科医、ウォブ クリニック中目黒総院長。「高機能・高実感」と「ラグジュアリー・クオリティ」を叶える化粧品「アンプルール」を研究開発。著書に『気になるパーツのスキンケア 2週間速効メソッド』(宝島社)。

この記事は『毎日が発見』2018年12月号に掲載の情報です。

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