「尿もれ」するのって普通なの?40代以上の30%が経験する排尿トラブルの実態

40代以上の3人に1人が経験するとされる「尿もれ」。デリケートな問題なので、誰にも相談できない人も少なくないようです。そこで、排尿トラブル治療の第一人者・山西友典医師が監修した『尿トレ:誰にも言えない尿のトラブル「スッキリ解消! 」ブック』(方丈社)から、同書をまとめた取材班が知った「尿トラブルの仕組み」と解消法となるトレーニング「尿トレ」のヒントを連載形式でお届けします。

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加齢だけじゃない尿もれのある人の実態

排尿トラブルに困ると、つい人知れず悩みがちですが、実は結構、みんな悩んでいます。

尿もれに悩む人のニーズを探るべくおむつメーカーさんがいろいろな調査を行っていますので、その一部をご紹介します。みんな悩み、それでもがんばっているのだなということがわかります。

まず、ずばり「尿もれのある人」は40代以上になると約3人に1人(グラフ①)。女性は30代でも約5人に1人。妊娠、出産などのため骨盤底筋に負担のかかる年齢です。男性は70代になると半数近くに上りました。

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同じ調査内で、女性に限り尿もれが起こるタイミングを聞いていますが、腹圧性尿失禁(咳やくしゃみをしたとき出る)は30~40代に多く、切迫性尿失禁(急な尿意でがまんしきれず出る)と思われる症状は60~70代に多い(グラフ②)ことがわかりました。

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シニアは"閉じこもり"の原因にも

尿もれの経験者に日常生活への影響を聞いた調査によると、「尿もれがあることで気分が落ち込むことがある」という人は全体の49・8%。このうち「尿もれが週2~3回未満」の人より「尿もれがほとんど毎日」という人のほうが多く(グラフ③)、尿もれの頻度が気分の落ち込みに影響していることがわかります。

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また全体の約半数が「長時間の外出をするときに尿もれが不安」(グラフ④)と答えており、60代、70代はその割合が6割を超えています。とくにバス旅行やドライブ、飛行機や電車などに乗るときが不安のよう。そして同じ調査内で60代、70代の約4人に1人(26%)は週5日以上外出をしない"閉じこもり傾向"にあることもわかりました。

閉じこもりは運動の機会が減り、認知機能の低下を招くともいわれます。尿もれケアをして不安を軽減することが、心身の健康にもつながるようです。

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「尿もれ」するのって普通なの?40代以上の30%が経験する排尿トラブルの実態 049-syoei-nyotore.jpg46の「尿トレ」方法を徹底解説。漏れてしまう不安を解消できて、心も体も元気になれます

 

山西友典(やまにし・とものり)

独協医科大学排泄機能センター主任教授。排尿障害や尿閉、頻尿・尿失禁など下部尿路障害治療のエキスパート。1982年千葉大学医学部卒業。国保中央病院勤務、千葉大学泌尿器科講師、イギリスシェフィール大学客員講師などを経て、2001年に独協医科大学助教授に。2016年より現職。日本泌尿器科学会専門医、指導医、代議員、監事も務める。

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『尿トレ:誰にも言えない尿のトラブル「スッキリ解消! 」ブック』

(医療監修:山西友典/方丈社)

夜中に何度もトイレに行く、出先でトイレの場所が分からないと不安になる…など、いま「尿問題」を抱えている全ての人に届けたい「尿のトラブル」解消ブック。「病気?」「老化?」と一人で悩みを抱える前に、排尿トラブルの原因と対策を知れば、きっと気持ちは楽になります。

※この記事は『尿トレ:誰にも言えない尿のトラブル「スッキリ解消! 」ブック』(医療監修:山西友典/方丈社)からの抜粋です。
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