漏らしたことも忘れてしまう認知症の母。何もできない自分に腹が立つ

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ぴろ
性別:女
年齢:53
プロフィール:母の介護とこれからについて考える今日この頃です。

漏らしたことも忘れてしまう認知症の母。何もできない自分に腹が立つ 6.jpg

認知症の母(78)が、サービス付高齢者住宅に住むようになって1年半が過ぎました。

明るくきれいな施設で、働いている方もとても感じがいい方ばかりです。

家族も参加できるイベントとして敬老会、夏祭り、クリスマス会などがあります。出し物を見たり、合唱に参加したり、私たち家族が見ても楽しい、笑いのあふれるもので、企画してくださる職員さんには感謝でいっぱいです。

母は楽しんでいるのかどうなのかわかりにくいのですが、参加はしています。

入居してすぐの頃は、知らない人たちばかりで不安に思ったこともあったのかもしれませんが、今は誰と話しているのかはわからないながらも、なんとなく会話が弾んでいるときもあるようです。

母の認知症は、自宅で父と暮らしていた頃とほとんど変わらず、進んでいる感じはしません。ただ、肺が悪くなってしまって体力自体が落ち、歩くことや運動することがほとんどできなくなっています。肺のせいで少し動くだけではぁはぁと苦しそうにするので、酸素の機械をレンタルして使っています。

生活のほとんどで、車椅子を使うようになりました。最近ではご飯を食べるのにも疲れてしまうようです。

早く動けないのでトイレに間に合わなくて漏らしてしまうことも増えました。

尿漏れパンツやパッドをしてくれるときもあるのですが、やはり嫌なのか声をかけないとつけてくれません。漏らしたことを忘れてしまうので、尿漏れパンツやパッドの必要性を本人が感じていないのです。うちの老犬がトイレに間に合わなくて漏らしちゃうという話をしたら、「私のほうがまだいいね」などと言います。ある意味、漏らしたことを忘れてしまうのは自尊心が傷つかないので、それはそれでいいのかもしれません。

ただ私はこれから先、母がどのように変わっていくのか考えると、怖くなります。

今の母が何を楽しみに毎日暮らしているのか、何が好きで、何を考えているのかわかるのなら思うようにしてあげたいのに。
様子を見ていても日によって違ったり、昨日と今日で全く反対のことを言ったりするので、ますますわからなくなってしまいます。

一緒に暮らさなくなってから30数年。母が元気だったころ、何が好きだったのかもっと知っておけば、今こんなに何もできない自分に腹立つこともなかったかもしれません。

時々話しているときに「お母さんは私と話しているの楽しい?」と聞いてしまいます。表情が読めないときがあって、本当にわからなくなるのです。そう聞くと「楽しいよ」と言ってくれます。ほんとかなぁと思いながらも、頑張ろうと思う今の私です。

関連記事:お見舞いに来た人を忘れてしまう母。入院中に認知症が進行した!?/あぽり

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

この記事に関連する「みなさんの体験記」のキーワード

PAGE TOP